ついに銀行の淘汰が始まったな
三井住友銀行と三菱UFJ銀行が『ATM共通化』を実施した。大手のメガバンクが手を取り合ったことで、両行の利用者は喜んでいるかもしれない。
ボクは三井住友銀行を利用しているけれど、神戸は三井住友銀行の支店が多いので、まぁどちらでもいいかなという雰囲気。
ただしそんな楽観的な気分ではない。この『ATM共通化』は、銀行の淘汰が始まったことを知らせるのろしのようなものだと思う。
そんなボクの意見と同じく、このことに対する警告をうながしている記事がある。
三菱UFJと三井住友「ATM共通化」は、現金・ATM消滅への布石か
「どちらのATMも使えるから、便利になってええやん」と思っている人は、この記事をじっくり読んだほうがいい。この共通化は、銀行業界の危機を察知したメガバンクが生き残りをかけて打った手のひとつに過ぎない。
キャッシュレス化が進められている現状において、銀行にとってATMはお荷物になりつつある。ATM1台あたりにかかる年間経費は30万円とのこと。だからその総数を考えたら、気が遠くなるような費用が必要になってくる。
『ATM共通化』というのは使えるATMを増やすというよりは、減らしていくための取り組み。共通化することで、競合する場所のATMを撤去することができる。ここまでしてもコストを減らしていかないと、メガバンクでさえ生き残っていけないからだろう。
先日のこと。ボクがATMを使おうとして機械のトラブルになった。支店で調べてもらうと、キャッシュカードの磁気に問題があるとのこと。そこでカードの再発行処理をしてもらったんだけれど、とんでもない長時間を待たされることになった。
かなり大きな支店なのに、窓口で対応する職員を大幅に減らしている。ボクが待っていた窓口は振込等とは別なんだけれど、対応してくれる人は基本的にひとり。だから前の人の処理が終わるまで延々と待たなくてはいけない。
待っているあいだに観察していたけれど、三井住友銀行あたりは積極的に人件費のカットを進めているのを感じた。マイナス金利が続く現状において、銀行は業務の本質を見直さざるを得ない。そのうえキャッシュレス化や暗号通貨の登場によって、貨幣に対する概念が大きく変動している。
ちまちまと個人から手数料を取ったり、中小企業に貸し付けを行っているようでは銀行が倒産してしまう。昨日もあるニュースで見たけれど、近い未来に多くの地方銀行が赤字経営になるという見通しらしい。メガバンクである三井、三菱は、そのあたりを敏感に感じ取っているのだろう。
見た目はサービスの向上だと感じる『ATM共通化』。でも実態はちがうということ。そしてこれからも同じようなことが起きてくるはず。銀行にお金を預けるために、利用者が費用を負担する時代はすぐそこまで来ているからね。
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