ホテル業界はチキンレース
神戸の桜は満開近くになってきた。本当なら今日の土曜日は、ボクが暮らしている神戸市灘区の「桜まつり」だった。毎年タイミングが悪く、桜が咲いていなかったり散っていたり、あるいは雨天のこともあって、残念な「桜まつり」だったことが多い。
でも今年は桜が満開で、気落ちのいい晴天。なのに新型コロナウイルスのために中止。本当に運のないまつりだよね。
そしてボクが生まれ育った京都も桜が満開。京都でドラマのロケ中の市川海老蔵さんが、桜の動画をブログでアップされていた。今朝、鴨川を散歩されたときの映像で、息を飲むほどの美しさだった。だけど人がいなくてひっそりしている。
祇園町もいつもなら『都をどり』観覧の観光バスが花見小路へ次々と入ってくる。でも今年は中止になったので、花見小路は閑散としているだろう。お茶屋さんや置屋さんも仕事がなくて困っていると思う。
そんな京都で不思議なことが起きている。なんとこんな状況なのに、ホテルの建設ラッシュが続いているそう。
観光客が消えた京都で「それでもホテル建設ラッシュが続く」ワケ
記事の見出しを見たとき、頭が???となった。でも読んでみると、なるほどなぁと思うと同時に気の毒になった。
京都はインバウンド観光の影響で、ホテルの供給不足に陥った。だから一気に建設ラッシュとなったんだけれど、いつしか供給過剰となった。これはコロナウイルスの影響が出る以前からとのこと。
ホテル不足で値段が高騰したことにより、リーズナブルな価格のホテルが建設された。ところが作り過ぎ。韓国との国際問題で観光客が減少したことで、ここ数年は供給過剰が問題になっていたらしい。
だからこそホテル業界は勝負に出た。資金を投入することによって、新たな建設計画を実行に移した。それはオリンピックでの需要を見込んだから。すでにスタートしているプロジェクトなので引くに引けない。それでいまだに建設ラッシュが続いているらしい。
まさにチキンレース。ウイルス騒動が起き、オリンピックが延期になるなんて思いもしない。だから相当にヤバい状況とのこと。このままではホテルのオープンを待たずに倒産してしまう会社が続出するかもしれない。
これは京都だけの問題じゃなないだろう。観光客を見込んでいたホテル業界は死活問題に直面しているはず。生き残りをかけて、熾烈なチキンレースが全国で起きていると思う。
そんな状況のなか、ひとつ飛び抜けたホテルがある。それはアパホテル。
昨日、政府の要請を受けて新型コロナウイルスの軽症者、あるいは症状が見られない感染者を全面的に受け入れることを発表した。すでに3日から半額で宿泊できるようになっているそう。
リスクや人的負担を考えたら、決断するのに勇気が必要だったと思う。だけどホテル業界で生き残っていくためには、このような英断が必要になるのだろう。ネットでもアパホテルの対応が称賛されているので、宣伝効果としてもかなり大きいはず。
アイリスオーヤマはマスクの製造を始めたし、人工呼吸器の製造をスタートさせた機械メーカーもある。非常時だからこそ、思い切ったかじを切れる企業は強い。リスクを取れずにチキンレースを傍観している企業は、淘汰されてしまうのかもしれないね。
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