種を問わず子供は可愛いもの
17年前に天国へ旅立った先代猫のリンちゃんには、尊敬するべきスーパーおばあちゃんがいた。ボクが勝手につけた名前はミケコ。野良猫だったけれどたくましいニャンコで、気に入らないオス猫をひっぱたいているのを何度も見たことがあるwww
子供を産んでも成長するとすぐに追い立てて独立させる。ところがどうしてもミケコから離れない娘がいた。その娘がリンちゃんの母親。ある日、この母娘は同時に妊娠して出産した。ボクが当時住んでいた賃貸マンションは10匹近い子猫であふれていた。
ところがミケコの娘は子育てをするどころか、子猫と一緒になってミケコのオッパイに吸い付いている。だからミケコはたったひとりで、その子供たちを育て上げた。そのなかから引き取った一匹がリンちゃんだった。
このときのミケコを見て感じたのは、母としての度量の大きさと愛情の深さ。子供と孫を区別することなく、全力で面倒を見ていた。もちろん血縁がある子猫たちだけれど、ミケコの母性愛に感動した記憶がある。でもそんな行動をとるのはミケコだけじゃない。
動物はなぜ、我が子以外でも愛情を注いで面倒を見るのか?利他的行動の意味を探る
自分の子供以外を育てる動物は多い。哺乳類だけでなく、魚、鳥、昆虫にも見られる行動らしい。カラスなどはもっと社会的な動物で、春に生まれた子供たちを秋に集団生活させて、年長のカラスが教育する。そして翌年の春に、教育を受けたカラスたちが連れ合いを見つけて家族を持つ。
先日もネットである動画を見た。大人の象たちが一緒になって、グループの子象たちを敵から守るようにして行進する映像だった。リンク先の記事にはそうした行動の理由が解説されている。
動物が血縁のある子供たちだけでなく、同じグループの子供たちを育てるのは、種の保存という目的にかなっているから。仲間が生き残る可能性が高いほど、より強く、環境に適応した遺伝子を残していくことができる。動物としての本能なのだろう。
だから子供を虐待死させたり、2歳の子供を部屋に放置したまま、自分たちはUSJで遊んで死なせてしまう人間は、動物としての本能を失った最低ランクの生き物だということ。そんな奴らには、ミケコの爪の垢を煎じて飲ませても効果がないだろう。
動物たちがすごいのはそれだけじゃない。種がちがっても、自分の子供のように面倒を見る動物たちが大勢いること。ネットをチェックしていると、犬の母親が子猫を育ているような事例が山ほど出てくる。その行為は自分が属する種の保存と無縁。なのに親代わりになって子供の面倒を見る。
ボクの勝手な想像だけれど、子供というのは種を超越した共通のオーラのようなものを放っているんだと思う。ボクたち人間が子猫や子犬を可愛いと感じるように、他の動物たちも別の種の子供を愛らしいと感じるんだろう。種を超えた普遍的な吸引力が、子供たちから発せられているのではないだろうか?
いまの時期、きっとあちこちで子猫がいっぱい生まれているんだろうなぁ。うっかり出会って子猫の吸引力オーラにやられないように注意しなければ。ボクの年齢的にいまから子猫の一生に付き合えないからね。
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