人間はどこまで嘘を通せるか
少し古い映画で、自白剤を使って工作員から秘密を聞き出すという場面をよく観た。工作員は訓練をされていて、嘘発見機に影響されない。仕方なく自白剤を注射するという設定が多い。
でもそうした設定はフィクション限定とのこと。つまりリアリティを重視する映画や小説では使わない方がいいらしい。
「自白剤」とは現実にはどんな薬なのか?実は当てにならない自白剤の真実
厳密に言えば、映画のように真実をペラペラ話す自白剤は存在しないそう。人間は嘘をつき通すのに精神力を行使する。スパイが敵国に捕まったような場合、隠すべき秘密は国益に影響する。それほど重大な事実を隠すためには、かなり強い精神力が必要だろう。
一般的に自白剤というのは、その精神力を弱める効果を期待したものらしい。意識朦朧として自分を律することができない。それでぽろっと真実を述べてしまうというもの。だから自白剤として使用されているのは、麻酔薬、睡眠薬、アルコール等。
リンク先の記事によると、有名なのが「チオペンタール」という麻酔薬。これは過去に自白剤として使われたことがあるそう。全身麻酔に使用するもので、通常の意識をキープできなくなる。現在は製造されていないので、入手困難な薬品らしい。
この「チオペンタール」を使って実験をした人の事例が面白かった。1回目の投与では、余裕で嘘をつけたらしい。ところが2回目に大量投与されると、自分の本当の職業を口にした。質問をされても、嘘をつくことさえ思いつかなかった、と述べている。この薬が自白剤として使われていたのがわかるような気がする。
ただそれ以外に自白剤として使われている薬は、信用できないものがほとんどらしい。意識朦朧となっても、実際にない事実を捏造することが認められた。あるいはそうした偽の記憶を事実として刷り込む現象も起きたらしい。
アルコールも自白剤としての効果はある。だけどお酒に酔った人は「話を盛る」傾向がある。そこから派生して創作した出来事を事実として語る場合もあるそう。さらに意識朦朧のとき、人間は質問者に好意的になるらしい。それで事実と異なっていても、相手が期待する答えを話すそう。
要するに人間の言うことはアテにならないということ。客観的な事実や証拠がない場合、薬物で真実を語らせことは期待できないし、何かを話しても信用できない。だから小説を書くとき、そんなシーンは使わないようにしようwww
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