大阪の陣の意外なきっかけ
今日のXでポストしたように、我が家はマンションのポンプ工事で午前9時から午後5時まで断水の通知があった。でも事前に用意をしていたので、特に問題なく過ごすことができた。午後3時20分頃には工事が終了したので、今(午後4時頃)では普通に使えている。
今日の断水で感じたのは、水洗トイレで使う水の量。洗面器で4杯分くらいは必要なのに驚いた。普段は意識することがないから、いい経験ができたと思う。大きな地震等があったとき、水の確保は大きな問題となる。被災者と比べるのは失礼だけれど、水の大切さを実感できてよかったと思う。
さて、昨年の大河ドラマの『どうする家康』の関連で、まだ継続して読んでいるシリーズがある。ようやく大阪の陣が始まりそうで、いよいよ終わりが見えてきた。
2023年 読書#24
『徳川家康〔22〕百雷落つるの巻』山岡荘八 著という小説。全26巻の大作で、やっと22巻を読了した。関ヶ原の合戦後の平和な時代が続いてきたが、ついに大阪の陣が起きる気配に満ちてきた。ドラマではこのあたりはサッと流されている。でも大阪の陣が起きるきっかけとなったのは意外な出来事だった。
もちろん大阪と江戸はいずれ一戦交えるしかなかっただろう。けれどもその「きっかけ」がなかったら、戦なしの解決という道があったかもしれない。この小説の流れだとそう感じる展開だった。
大阪の陣の火種となったのは大久保長安という人物。武士の出ではないけれど、平和が訪れたことで家康に重用された。全国の金山開発に力量を発揮して、江戸幕府に多額の金をもたらした。家康の六男である松平忠輝の世話役としても活躍している。ただ、彼には野心があった。
外国との貿易で世界に飛び出したい。そしてもし可能であるなら忠輝を秀忠の代わりの将軍にさせたい。忠輝の正室は伊達政宗の娘である五郎八姫なので、政宗の力を借りることもできる。それゆえ多額の金を幕府に内緒で溜め込んでいた。彼の死をきっかけにして、このことが露見する。もちろん長安の息子たちは全て処刑された。
ただ困ったのは、彼はキリスト教勢力を利用していたこと。キリスト教はカソリックとプロテスタントが死闘を続けていた。カソリックはポルトガルとスペイン。プロテスタントはイギリスとオランダ。家康の側近である三浦按針はイギリス人。それゆえカソリックの宣教師たちは長安に取り入っていた。
つまり大阪と江戸の対立、カソリックとプロテスタントの対立、そこに家康の息子である秀忠と忠輝の不和が絡んできた。長安が死んだことで、カソリックの宣教師たちは大阪方に援助を乞う。この当時はキリシタンの大名たちが大勢いたので、宗教戦争が起きそうな雰囲気だった。
このままでは本当に戦争になってしまう。そこでキリスト教の禁止が江戸幕府でも本格的に始まる。まさにこれこそが大阪の陣のきっかけになってしまった。まさか外国勢力の問題が、日本の内戦を誘発することになるとは。ドラマでは知ることのできない、とても説得力のある著者の歴史観だった。
さて、残すところは4巻。家康の人生を追いかけた長い旅も終わりが近づいてきたなぁ。
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