オスカーでの差別を米が沈黙する訳
洋画好きのボクは昔からアカデミー賞授賞式が大好き。ところが最近は何かとトラブルが多い。黒人俳優や監督を選ばないという不満が爆発したり、司会者が俳優に関するプライベートなジョークを言ったことで平手打ちにされた出来事もあった。
そして今年の授賞式ではアジア人に対する差別問題が取り沙汰された。ボクもネットでその映像を観たけれど本当に不快だった。ロバート・ダウニー・Jr.は明らかにキー・フォイ・クァンを無視していた。エマ・ストーンのミシェル・ヨーに対する態度はあまりにも露骨。
韓国を始めとして、日本でもX等のSNSで炎上した。それを受けて日本のメディアも取り上げている。ところがアメリカのメディアはこの出来事に関して沈黙を守っている。その理由がなんとも言えない気持ちになるものだった。
ネットでこの問題がざわついたことで、ミシェル・ヨーはすぐにエマ・ストーンを擁護する発言をSNSで発信している。でもこれは彼女が大人な対応をしただけで、授賞式の映像を客観的に見ている限り、エマ・ストーンの態度は釈明できないと思う。
さらにこの問題に火をつけたのが、海外在住のアジア人たちの声。話しかけても無視されたり、透明人間のように扱われるのは日常的とのこと。欧米人の黒人やアジア人に対する差別はかなり根強くて、本人が無意識にやっている場合が多いらしい。今回の授賞式におけるケースもその印象が強い。
でもこれだけネットで話題になっているのに、なぜアメリカのメディアはそのことを報道しないのか? これはアメリカにおける深刻な人種差別問題が関係しているからとのこと。なるほどなぁ、と思った。
アメリカにおいて人種差別は存在しているけれど、現代人の感覚としては恥ずべきことだという認識が高まっている。白人警官によって黒人が暴力を受けたことで、全米的なデモになる国だから。特にリベラル層が多いハリウッドでは、人種差別は人格を否定されてしまう。
つまり今回の問題をアメリカのメディアが取り上げてしまえば、ロバート・ダウニー・Jr.とエマ・ストーンのキャリアを奪ってしまうことになりかねない。人種差別者だと認定されることは、それほどの重いペナルティを課せられてしまう。だからメディアとしては慎重になってしまうそう。
逆に考えれば、アメリカのメディアが沈黙しているのは、この事実を重く見ているからだと思う。だからおめでたいことでもあるし、差別された当事者も不満を言っているわけじゃない。だから波風を立てないでおこうと決めたような気がする。
だけどもし本当に何も感じていないとしたら、アメリカのメディアそのものがアジア人に対して差別意識を持っていることになる。どちらかといえば、その方が嫌な気持ちになる。二人の俳優たちに悪意がないとしても、アジア人に対する欧米人の本音が表面化した出来事だと思う。
<お知らせ>
最新刊の『夢体脱』が全国の書店、並びみAmazon等のECサイトで販売中です。2012年に出版した『夢で会える 体外離脱入門』は、非物質世界の存在に『会う』ことがメインテーマでした。
でも『夢体脱』ではその出会いをどのようにして実生活に活かしていくかをテーマにしています。旧作を読んだ方にも新しい洞察が得られる内容になっています。是非ともよろしくお願いします。
Amazonでは単行本と同時に、Kindleの電子書籍でも購入していただけます。こちらからどうぞ。
ハート出版さんのサイトでも『夢体脱』の概要をご覧いただけます。こちらからどうぞ。
ブログの更新はFacebookページとX、並びにThreadsで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする