SOLA TODAY Vol.953
普段温和な人が声を荒げて怒るのは、腹にすえかねることがあるからだろう。ましてやテレビの生放送で激怒するのは、よっぽどのことだと思う。
生放送のニュース番組でコメンテーターが激怒「人権感覚の欠如」ネット賛否
生放送とは、「かんさい情報ネットten.」という報道番組。関西ローカルである読売テレビの夕方のニュース番組なので、近畿エリアに住んでいない人は知らないだろうと思う。ボクはこの番組のあるコーナーが好きで、週に2回だけ夕方に見ている。
若一光司さんという作家のコメンテーターが出演されていて、博識で温和な方なのでボクは好感を持っていた。その若一さんが、先週の金曜日に激怒したとTwitterで話題になっていた。金曜日は他局を見ているので、なぜそんなことが起きたのが気になっていた。
この記事を読む限り、若一さんが怒られたのは当然だと思う。もしボクがこのコーナーを見ていたら、不快になって他局に変えたと思う。
視聴者の相談に答えるコーナーで、藤崎マーケットという漫才師がレギュラーで出演している。あるお店の常連が男性か女性かわからないとのこと。それを調べて欲しいという依頼だった。
ボクならこの時点でアウトだろうな。男性か女性かを知ることに、どんな意味があるというのか。銭湯のように男女の区別があるお店ならまだしも、この記事を読んでいる限りは普通の店舗のはず。だったら性別なんてどうでもいい。気にすること自体が人権問題だし、それをテレビに依頼するなんて言語道断。
番組では、その人に恋人の有無や下の名前を尋ねるだけでなく、胸まで触ったそう。そして最終的に免許証の提示を求めて男女の確認を取ったらしい。それはひどすぎる。
若一さんはこう言っている。
「あのね、男性か女性かという聞き方、許しがたい人権感覚の欠如ですね。個人のセクシャリティにそういう形で踏み込むべきじゃないです」
MCの中谷しのぶさんがフォローしてコーナーの趣旨を説明したが、 「たとえご本人がテレビに出ることを了解しているとしても、個人のセクシャリティにそういうアプローチをすること自体が人権感覚、人権意識にもとります」と若一さんは反論されている。
ほんとその通り。これはテレビに出演した人の問題ではなく、大勢の人が見ているということを忘れている。自分の性別に違和感を持ち、コンプレックスを抱えている人は大勢いるはず。そんな人たちがこのコーナーを見たらどう思うだろう?
この依頼があってから放送に至るまで、大勢の人たちの手を経由しているはず。なぜその途中で若一さんのように考える人がいなかったんだろう? それが不思議で仕方ない。
芸能人が不祥事を起こしたら鬼の首をとったみたいに自粛や非難がましい放送をするくせに、一般人の人権に関してチェックなしで生放送されてしまう放送局の体制に疑問を感じてしまう。若一さん、よくぞ言ってくれたと思う。ますます彼が好きになった。
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