政治家の焦りがトラブルを招く
う〜ん、大阪府知事の吉村さん、珍しくやらかしてしまったよなぁ。彼のファンなんだけれど、昨日の発言はかなりマズいと思う。
何がマズいかというと、ポビドンヨードに関するうがいの件。
嘘のような本当の話、大阪知事発言でうがい薬消える-明治株急伸
ここにきて日本は新型コロナウイルスの第2波らしき状況なので、都道府県の知事は眠る間もないほど多忙だろうと思う。心労も相当なものだろう。だからポビドンヨードでうがいをすることで、新型コロナウイルスの陽性率が減少するという結果に飛びついたのはわかる。
専門家によるデータなので、一刻も早く大勢の人に伝えたいと考えたんだろう。だけど政治家の焦りほどトラブルを招くものはない。政治家は常に結果を求められる。だから焦っていると、冷静な判断ができなくなる。
昨日の吉村さんの発言がマズかったのは、イソジンの買い占めを招いたこと。影響力のある人なので、もう少し発言は慎重になるべきだった。ドラッグストアに駆け込む人が増え、午後3時には完売する店舗が続出。メルカリでは『イソジン祭り』となったらしい。
ポビドンヨードの転売は薬事法で禁止されている、イソジンの扱いがどうなるかわからないけれど、グレーなのは事実だろう。そしてもうひとつヤバいのは、ポビドンヨードによる副作用等の問題。
イソジンでのうがいをやり過ぎると、甲状腺に障害が出る可能性が高い。だから甲状腺の病気の人はイソジンでうがいはできない。だけどコロナウイルスを恐れるあまり、過剰にうがいをする人が出てくる可能性がある。
そして陽性率が減少したといっても、口と喉からだけウイルスが除去された可能性を専門家が指摘している。だから唾液によるPCR検査で陰性だとしても、鼻による検査だと陽性になるかもしれないとのこと。
だけど支持率の高い吉村さんのような人が特定の薬品について触れると、それが特効薬のように受けとられてしまう。それゆえ記事の見出しを見ただけで、ドラッグストアに駆け込んでしまう人がいるにちがいない。これはとても危険なことだと思う。
もうひとつ政治家の焦りを感じたニュースがある。
ワクチンが少しでも早く完成するのを、世界中の誰もが待ち望んでいる。だけど慎重にやらないと、新たな被害を誘発することになってしまう。何度も臨床実験を重ねることで、ようやく一般に摂取できるワクチンが完成する。
ところがロシアの場合、記事によると十分な臨床結果が提出されていないらしい。もしかしたら初期段階の結果だけによって、大量接種を決定した可能性が指摘されている。
それはロシア国民を実験台にしてしまうのと同じ。10月のロシアといえば、寒気がやってくる時期だろう。それゆえコロナを恐れて、我先にワクチンを求める人が行列を作る可能性がある。早くても来年の春だと言われているワクチンだけに、万が一のことを考えると恐ろしい。
ロシアが急いでいるのはわかる。世界で最初にワクチンを完成させることは政治家の悲願だろう。国民の信頼を勝ち取れるだけでなく、経済的にも多額の利益を見込める。だからこそ、見切り発車をしてしまうことも考えられる。
こうした感染症に関して、政治家の焦りは禁物だと思う。国民に真意が伝わらず、不要なトラブルを招くことになりかねないからね。
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