児童文学に隠された大問題
いきなりだけれど、ベンソン・ブーンというアメリカのシンガーソングライターを知っているだろうか? 今最もノリに乗っているミュージシャンで、来月の5日にデビューアルバムがリリースされる。ボクは初めて彼の歌を耳にした時、素晴らしい歌唱力に圧倒された。
今年の1月にリリースされたシングル曲は『Beautiful Thing』というタイトルで、ビルボードの上位から動かない。今週のランキングでも2位になっている。まだ聞いたことがない人のためにリンクを貼っておこう。
そして3日ほど前に、先ほどの曲と同じくデビューアルバムに収録される新曲が公開された。これまた素晴らしい! おそらく来年のグラミー賞ではいくつか受賞しそうな予感がする。新曲は『Slow It Down』というタイトル。こちらもリンクを貼っておこう。
さて、子供向きだろうと思う映画を観た。コメディ作品でもあって、イギリスの名優達が共選しているので観ることにした。本当に面白くて、腹を抱えて笑い転げた。でも観終わってから、世界的な大問題が頭から離れなくなった。
2024年 映画#55
『パディントン』(原題:Paddington)という2014年のイギリス・フランスの合作映画。児童文学作品の『くまのパディントン』を映画化した作品とのこと。実写と CGが合成されていて、子供と一緒に観るなら最高の作品だと思う。本気で笑ってしまうしねwww
出演している俳優は、まるで『ハリーポッター』シリーズの同窓会のよう。主人公であるクマのパディントンを育てた叔父の声はダンブルドア校長を演じた俳優で、叔母はアンブリッジという魔法省の手先の女性。ロンの母親役や、スラグホーンを演じた俳優さんも実写で大活躍する。
40年前、ある探検家がペルーの奥地でこのクマの一族と出会った。知能が高くて言葉も交わせる。もし学会に報告すれば捕獲されてしまうだろう。それでその探検家はいつかロンドンに遊びにくるように言ってその場を去った。
その40年後、このクマが暮らしていた地域が地震で崩壊する。そこで叔父と叔母に探検家のことを教えてもらった少年のクマがロンドンを目指す。それがパディントン。最終的にブラウン一家に保護されることになるというハッピーエンド。
悪役はミリセントという女性で、ニコール・キッドマンが演じている。このミリセントは、ペルーに行った探検家の娘だった。けれども事実を報告しなかったことで父は探検家教会を追い出された。そのことを恨んでいて、このクマ一族を見つけたら剥製にしようと狙っていたという設定。
笑いながら観終わって、ふと感じたことがある。原作は児童文学だけれど、もしかしてこの作品は「移民問題」を扱っているのでは?
話ができるクマというだけで、ストレンジャー感が強い。ロンドンの人たちはパディントンを気味悪がって排除しようとする。その代表がミリセントという女性。その一方で、多様性を受け入れようとするブラウン一家。この極端な人たちの行動を見ていると、世界中で問題となっている「移民問題」が重なってくる。
イギリスはもちろん、ヨーロッパ各国で移民問題は無視できないことになってきた。治安が乱れ、極右政党の台頭を誘引している。イタリアがその代表。日本でも川口市のクルド人問題は無視できない事態になっている。ボクはこの映画を観て、映画の制作者は暗に「移民問題」を観客に問いかけているような気がした。
考え過ぎかなぁ? でも面白かったので、続編も観ようと思う。そうすればこの映画の意図がわかるかもしれないから。
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