ガストンとの対話 Vol.19
ガストンさん、二週続きで台風でしたね。特に今回の19号は大きかったです。
「あの凄まじいエネルギーは地球が生きていることを感じるな」
衛星から撮影された画像を見て驚きました。宇宙から見る台風はまさしく生きものです。宇宙で思い出しましたが、ここで宇宙人の話しをしていませんでしたね。
「お前さんたち人間は自分のことで精一杯だから、他の惑星の住人のことを考えても仕方なかろう」
あなたに聞くまでもないですが、地球外生命体は存在すると思っています。でもいまだに直接的なコンタクトはありませんね。今後はそうしたこともあるのでしょうか?
「今の地球の状態では、当分無理だろう。そもそも、地球と同じ物理的次元に存在しているものばかりではない。人間の視覚でとらえることのできない世界にも大勢の生命体が存在しておる」
ということは、目の前ですれ違ってもわからないということですか?
「理屈から言えばそういうことになる。進化して次元上昇をした種族が、この地球で全く違う文明を創造しておったとしても、お互いに干渉することはないであろう。だからお前さんたちが他の惑星を観察して生物が存在しないと結論しても、事実がそうであるとは限らない」
今の地球がどのようになれば、そういった宇宙の仲間と直接的交流ができるようになるのでしょうか?
「お前さんが『ゼロの物語』で書いた惑星エリュシオンがいい見本だろうて。今の地球のように国境が存在して互いに争っているようでは、直接的交流はあり得ないな。国家なんて概念が存在している間は無理だ!」
それはそうですね。そう思って地球をながめると、誰もが地球人ではなく日本人やアメリカ人としてしか生きていないのがわかります。
「社会制度から変えていかないと難しいだろう。例えばビットコインのような通貨は、国家の概念を手放すツールになり得るかもしれん。だがそういった変化をかたくなに拒んでいる限り難しいだろうな」
地球外生命体がコンタクトを取りたくても、地球がそういった状態にならくてはいけませんね。
「進化の度合いに違いはあるが、どの惑星の住人も平等であり、全てはひとつだ。だが、今の地球にそうした進化した種族が接触したらどうなると思う?」
いろいろな意味で、依存してしまうかもしれませんね。
「そうだな。地球外生命体の立場で考えてみると、とても難しいことがわかる。干渉し過ぎて依存されることになれば、地球人は自らの進化を放棄してしまうことになりかねない。かといって放置しておけば、宇宙に多大な影響を与えるようなことをしでかすかもしれない」
たとえば、宇宙での核実験や核兵器の使用ですね……。
「多くの地球外生命体が地球に注目しているが、現状では直接的なコンタクトは難しいと考えているであろう。人類が暴走することのないよう、間接的に影響を与えていくしかない。お前さんたちは、国家という概念を手放し、地球人としての意識を持つべきだな」
日本人も海外で活躍するようになってきましたものね。日本という枠を飛び出さなくてはいけませんね。やっぱり海外で暮らしたいなぁ。アハハ、それは意味が違うか〜〜
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