今日の言葉 10月29日
『人間は変われるか?』
一体人はすっかり変われるのかどうか、誰でも自らに問うたことがきっとあるはずです。周囲の出来事に連動して変わるのではありませんよ。単なる繰り返しであるだけの変化や、何かを修正して継続させたものである変化ではなく、抜本的な革命、精神の全面的な変異です。
私は変わりたい。時折、単なる動機から生じたものではない何かがひらめいて、自分が恐ろしく不幸せで、落ち込んでいて、不愉快で、暴力的であることが分かる。するとそれをどうにかするために、私は自分の意志を働かせる。
自分は変わらなければならない、この癖あの癖を止めなければならない、考え方を変えなくてはならない、振る舞いを変えなくてはならない、自分のこういうところを伸ばして、ああいうところを控えなければならないと言います。
人は計り知れない努力をします。が、その努力の果てにおいても、人は依然としていい加減で落ち込んでおり、不愉快で残忍であり、自分が変わったという何の実感も持たないでいるのです。そこで、そもそも変化などあるのだろうか、と自らに問うのです。人間は変われるのでしょうか?
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜