作家の収支
今日は暖かくなることがわかっていましたので、薄手のジャケットで出かけました。家を出た時は少し肌寒い気がしましたが、帰りにはジャケットを脱ぎたくなるくらい。今日はかなり気温が上がっていると思います。
これだけ気温が上がってくると、スギの花粉症の人は大変ですね。幸い私は今のところ花粉症になったことがありません。きっと鈍感なのでしょう。といっても鼻炎にはよくかかります。やばいのがハウスダスト。そして顕著に出るのが、急激な温度差です。
真夏でも真冬でも、建物の中と外は大きく温度が違います。自宅では温度差がないように注意していても、外出するとそうはいきません。だから真夏や真冬に鼻炎の症状が出ることがよくあります。その辛さを知っていますから、花粉症の人たちの気持ちがよくわかります。しばらくは大変ですね。
突然ですが、ダイエットに挑戦したことがある方は、こんな経験がないでしょうか?
必死で食事制限と運動を頑張って、「よし!」と思ったのに、いざ体重計に乗ると目標体重を上回っていて愕然とする。
今の私はそんな気分です。ちょっぴりへこんでいます。
ダイエットはダイエットでも、小説の話です。『妖精からの招待状』のリノベーションの2周目が先ほど終了しました。全部で2万字近くはダイエットしました。でも原稿用紙に換算すると、まだ30枚ほどオーバー。文字数にして1万字ほどです。とほほ。
いまだに出版の世界は原稿用紙の枚数で計算します。最近の作家で、原稿用紙に手書きをしている人のほうがはるかに少ないでしょう。あのベストセラー作家の宮部みゆきさんでさえ、ワープロが存在しなかったら作家になっていなかった、と言われているくらいです。
文字数で減らしても改行等でページを食いますから、400字詰の原稿用紙に換算すると思ったより減りません。いっそ文字数で計算してくれるほうが、合理的でわかりやすいのですけれどね。原稿が完成してから用紙換算するので、とっても面倒です。
私と同じことを言われている作家の本を、昨晩読了しました。その方の場合は、原稿用紙換算なんて無視されたそうですが。
『作家の収支』森博嗣 著という本です。
これは小説ではなく新書です。森さんは知る人ぞ知る作家で、かなり多くの小説等を出版されています。デビューされてから20年ほどになるのですが、紙の本で出版した作品は278冊、総部数は1,400万部、そしてこれらの本が稼いだ総額は約15億円です。最近の電子書籍は入っていませんよ。マジですごい!
そんな森さんが、作家の収入と支出に関してかなり細かく書かれた本です。自分の作品を例にあげられて、どのような経緯で収入になったかをカミングアウトされています。印税や原稿料の仕組みがよくわかり、出版社の事情も見えてきます。めちゃめちゃ面白い本でした。
印税は私も経験がありますから分かりますが、それ以外の話はとても興味深く読みました。原稿料というものも、出版物や会社によって大きく違います。もちろん印税に関しても、書き下ろしの作品と、雑誌の連載を単行本にしたものでは違います。
でも不思議なのは超有名作家でも、デビューしたばかりの新人でも、基本的に印税の条件は同じです。そのあたりの裏事情もなかなか面白かったです。テレビやラジオの出演料、講演会のギャラ、作品のドラマ化や映画化等の収入についても書かれていました。
初めて知ったのは小説が入試問題に使用されても、収入があることです。もちろん入試問題なので、試験が終了するまで作家に連絡はありません。試験問題が一般に公開される段階になって、著作権料が発生するそうです。そして問題集等のいわゆる「赤本」や教科書に収録されると、印税も入ってきます。
余談ですが、森さんが自分の作品が試験問題になったのを見て失笑されたそうです。ある部分を指摘して「作者の言いたいことを書きなさい」という問題でした。ところが作者の森さんにすれば、その部分について何も言いたいことがなかったそうです。問題製作者の勝手な独断なのですね〜〜!
それにしてもここまで赤裸々に自分の収支を書かれた作家は、他にいないでしょう。そして今後の出版界についてもいろいろと提言されています。私にとってかなりモチベーションが上がる本でした。そして森さんという人物が、大好きになりました。
さて、めげずに小説のダイエットに再挑戦します!
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