SOLA TODAY Vol.17
わたしはずっと以前から、条件付きでの安楽死に賛成しています。なぜこんなことを唐突に書いたかと言いますと、スタートしたばかりのパラリンピックに関して、興味深い記事を読んだからです。
「パラリンピックが終わったら安楽死を考えている」金メダリスト、病と闘う苦しみを明かす
ベルギーの車椅子陸上選手であるマリーカ・ヴェルヴートさんは、ロンドン大会で金と銀をとったメダリストです。今回のリオ大会でもメダルが期待されています。現在は37歳ですが、16年前に脊椎を痛め車椅子生活になりました。それでも人生を楽しみたいと考え、アスリートとして努力を重ねてこられました。
今回のリオ大会で引退を決めていて、その後にやりたいことをいくつか考えているそうです。そのひとつは曲芸飛行なのですが、それだけではありません。安楽死を考えているとのこと。
病気と共存しながら人生を楽しんできましたが、痛みのために10分くらいしか眠れないこともあるそうです。ベルギーでは2002年に医師のほう助による自殺を認める法律が可決されています。3人の医師による承諾書があれば、安楽死することができます。
ヴェルヴートさんは安楽死を決めたわけではありません。でもそのことを想定して、自分の死後のことを真剣に考えています。
「葬儀は、教会では行いません。コーヒーとケーキを飲みながら見送ってもらうのではなく、シャンパンを飲んで『マリーカに乾杯。良い人生を送ったね。今はもっと良い場所にいる。新しい場所で幸せが訪れますように』と言ってもらいたい、とフランスの国営テレビに語ったそうです。
最初にも書きましたが、わたしは安楽死に賛成です。もちろん安易な自殺を防ぐために、厳格な基準を設けるべきだと考えています。そういう意味ではベルギーの法律は参考になると思います。
人間には生きる権利があるのと同時に、安らかに旅立つ権利があってもいいと思います。もし自分の余命が残り少ないと宣告されたら、延命治療などは最初から受けるつもりはまったくありません。かといって、最後の日をじっと待っているのも嫌です。
現実を受け入れたうえで、やるべきことをやり、言うべきことを語って、自分の意思で旅立ちたいと願っています。苦痛に耐えて生き延びるより、眠るようにこの世から去りたいと思っています。条件によっては、そうした権利が認められてもいいのではないでしょうか?
ヴェルヴートさんは安楽死を突然思いついたのではなく、ずっと考え続けた結果なのだと思います。障害を負ってまでアスリートして強く生きた方ですから、自分の人生と真摯に向き合ったすえの結論だと感じます。パラリンピックに出場している日本選手の速報がネットで流れていますが、同時にこのような事実も存在することを知って欲しくてブログで取り上げてみました。
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