ありえないけれど面白い
空気は秋ですが、雲の多い今日の神戸です。傘を持たずに外出したので時おり降る小雨を心配しながら、濡れることなく帰ってくることができました。
昨日の鳥取地震の被害が少しずつ報道されています。やはり震度6弱だと、かなりの被害が出ているようです。でも亡くなった方がいないようなので、それだけでもほっとしました。
昨日スマホの緊急警報が鳴った瞬間、頭のなかではいろいろな思いが交錯しました。とりあえず大きな地震が来ることしかわかりません。震源がどこなのか、どれほどの大きさなのか、当然ながら知ることは無理です。瞬間的には、南海トラフ地震が頭に浮かびました。
でも結果的には、傍観していたいただけです。意外に動けないものですね。我が家は危険な家具がありません。もっとも危険なのはテレビです。ところがわたしも妻もテレビの前にいたのに、そこから離れずに呆然としていました。
冷静であれば、ベッドしかない寝室に避難するのがベストです。廊下に面したサッシは避難対応になっているので、もしマンションに相当な被害が出たとしても、部屋の外に脱出することができます。それなのに警報音を聞きながらその場所から動けませんでした。
もし料理等でガスを使っている時だったら、すぐにガス栓を止めたと思います。でも昨日はわたしが飲むつもりのコーヒーメーカーが動いていただけです。これではいけないね、と妻と二人で反省していました。とりあえず自宅にいる場合は、ミューナを連れて寝室に避難する癖をつけなければと思いました。
さて、昨日に観た映画です。
『ニック・オブ・タイム』という1995年のアメリカ映画です。Nick of Time = (その瞬間の)時の刻み =「際どい時」という意味です。そのタイトルどおり、約1時間という時間における主人公の行動が映画になっています。映画の世界の1時間と実際に見ている時間がほぼ同じ設定にされています。その際どい時を、観客も一緒に体験するという趣向ですね。
主人公のジーンは幼い娘と一緒にロサンゼルス郊外のユニオン駅に到着します。ところが突然警察を名乗る二人に拘束され、娘を人質に取られます。午後1時半までに女性知事であるエレノアを暗殺しないと、娘を殺すと脅されるのです。そのジーンをジョニー・デップが演じています。映画は知っていましたが、初めて観た作品です。
結論から言えば、ありえない設定だらけで失笑してしまいました。警察や警備陣、さらに知事の夫までが暗殺に関与しています。そこまでの大きな組織なら、プロに依頼すればいいはずです。いくら娘を人質に取ったしても、素人に暗殺を依頼するのは不自然すぎます。丁寧に銃まで渡すわけですから、アホらしくて思わず笑ってしまいました。
おまけにその暗殺を依頼した刑事は、すぐにジーンを見失います。名優であるクリストファー・ウォーケンがその刑事を演じていますが、彼が持つ得体の知れない怖さがあまり出ていませんでした。完全に脚本と演出のミスですね。そもそも暗殺方法の設定がアホ過ぎますから。
そんなありえない設定なのですが、ついつい最後まで観てしまいました。なぜかと言えば、ジョニー・デップとクリストファー・ウォーケンの演技が上手いからです。この二人をキャストで使っていなかったら、この映画は大コケしていたと思います。
ジーンは会計士という設定ですから、当然ながら殺人なんてできません。そのあたふたする様子がめちゃ面白い。なんとかして娘を助けて逃れようとするのですが、シリアスなのに笑ってしまいます。そういえば『ツーリスト』という映画でも、教師という設定で事件に巻き込まれる役をやっていましたね。
脚本や演出がイマイチでも、俳優さんによっては映画が面白くなるものですね。そのことを証明したような作品です。そういう意味では、このキャストを実現させたプロデューサーの勝利と言える映画かもしれません。主人公と一緒に、ドキドキして楽しい1時間を過ごすことができました。
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