目標と目的は違う
暑かった今年の夏を忘れるほど、すっかり秋らしい気候になりました。24時間窓を開けて網戸だったころを思うと、昼間でも窓を閉めて快適に過ごせるなんて夢のようです。特に日本のドラマや映画を観ている時に、そのありがたさを感じます。
字幕作品を観ている場合は、少し外の音がうるさくても内容が理解できます。どうせ英語が聞こえても、完璧に聞き取れているわけじゃありませんからね。でも邦画等の場合、セリフが聞き取れないとまったくドラマの展開がわからなくなってしまいます。
最近のサッシは防音性に優れていますから、閉めているとテレビの音がかなり小さくても大丈夫。今日も午後から大河ドラマを観ていたのですが、外の音を気にすることなく楽しめました。窓を閉めて布団にくるまって眠ることができる季節は幸せです。冬が来る前に、今の季節を楽しみたいと思っています。
さて、昨晩に読了した本です。
『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』梅原大吾 著という本です。
梅原さんは17歳で格闘ゲームの世界チャンピオンになられた方です。そして日本で初めてプロ・ゲーマーとして現在も活躍されています。先日にちきりんさんとの対談本を読んで、梅原さんのファンになりました。それでもっと著者のことが知りたくて、この本を読みました。
この本めちゃいいです。オススメですよ。とにかくやる気と勇気が湧いてきます。わたしより20歳ほど歳下ですが、学ばせてもらうことが山ほどありました。徹底して自分と向き合っていく姿は、世界一になって当然だと納得させるほどのパワーに満ちています。
でもご自身でも書かれていますが、決して才能に溢れた天才タイプではありません。日々の努力を積み重ねることで、プロ・ゲーマーとしての自分を確立されてきたのです。だから最初は負け続けておられますし、一度は挫折してゲーム界から身を引かれています。
ところが4年のブランクの後に復活してから、プロとして契約されました。そんな彼は勝ち続けることにこだわりを持っています。たまたま優勝することはできても、それを続けることは簡単ではない。そのためにはどうすればいいのか? そのことについて書かれた本です。
わたしが最も感銘を受けたのは、「目標と目的は違う」と断言されていることです。優勝して賞金を稼ぐことを目標にするのはいい。でもそれが目的になってしまうと、勝ちづつけることができなくなる。梅原さんはそう述べています。
彼の目的は自分が成長すること。昨日よりも今日、今日よりも明日。どんな小さな成長でもいいから、自分が前に進んでいくことを目的とされています。ですから負けても成長することができれば、それでいいと思えます。勝つことが目的となってしまうと、負けることで終わってしまいます。そうすると勝ち続けることができなくなります。詳しくは本書を読んでいただけたらと思いますが、とても説得力のある言葉でした。
勝ち続けるために努力は必要です。でも自分を痛めつけるような努力は、何も生み出さないと書かれています。自分の前に壁が現れても、何も考えずにただ壊し続けることが努力でない。殴って壊れないなら、別の方法を探せばいい。頭を使って考えることで、努力がより効率的になるとのこと。
『考えることを放棄して、ただ時間と数をこなすのは努力ではない。それはある意味、楽をしているとさえ言える。頭を使って考えることの方が苦しいから、それを放棄してガムシャラに突き進んでいるのだ』
素敵な言葉ですね! そのとおりだと思います。自分の頭を使って考えるということは、実はとても苦しくて難しいことなのです。何も考えずに時間と量をこなしていると、努力をしているような気になってしまいます。ところがそれで結果が出ないと、「自分はあれほど頑張ったのにどうして?」ということになってしまいます。その結果、他人や社会が悪いという発想に陥ってしまいます。
圧倒的な努力は必要です。そうでなければ突き抜けることはできません。でも大切なのは頭を使うこと。あらゆることを惜しまずに試すという、行動力と忍耐力が必要なのです。そうすることで誰にも見えていなかったものが見えてくるのでしょう。この本に出会えて良かった。素直にそう思える著作です。
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