エンタメ世界の暴力
今日のような天気を秋晴れと言うのでしょう。朝からほとんど雲がなく、乾燥した涼やかな風が心地よく吹いています。買い物の帰り道に遠回りして歩いたのですが、汗をかくこともなく快適に歩くことができました。自宅近くの公園で、めちゃ可愛いベンチを発見しました。
何度も歩いている公園なのに、こんなベンチがあるのを知りませんでした。妻と二人で座っても良かったのですが、こっぱずかしいのでやめておきました(笑)
これから紅葉が綺麗になってきたら、きっと若いカップルが座るのでしょう。お尻が痛そうなので、あまり長時間座っていられないかな? でも恋愛中のカップルならそんなことさえ気にならないかもしれませんね。
昨日から構想を開始した長編小説は、先にタイトルが決まりました。タイトルが決まったということは、テーマが決まったのと同じです。これからプロットや登場人物の背景をイメージして、じっくりと構想を練っていくつもりです。
わたしの場合は書き進めながらストーリーを組んでいくので、とりあえず大まかなプロットを早く完成させようと思っています。明晰夢の世界もからめていきたいと思っていて、ちょっとSFっぽい内容になりそうです。イメージとしては映画の『ブレードランナー』かな?
さて映画といえば、とっても懐かしい映画を昨日観ました。
『グッドフェローズ』という1990年のアメリカ映画です。監督はあの有名なマーティン・スコセッシです。この監督の作品は数多くありますが、わたしのなかでこの映画はトップ3に入る作品です。この作品と並ぶのは『シャッター・アイランド』ですね。最新作では遠藤周作さん原作の『沈黙〜サイレント〜』が公開予定ですから、そちらも気になっています。
これは『ゴッドファーザー』的なマフィア映画です。ほぼ実話に基づいている作品で、ヘンリー・ヒルというギャングの人生が描かれています。そのヘンリー・ヒルをレイ・リオッタという個性的な俳優さんが演じています。
わたしがレイ・リオッタを最初に見たのは、『フィールド・オブ・ドリームス』という映画で、死後の世界から現れたシューレス・ジョー・ジャクソンという、八百長容疑で追放されたプロ野球選手の役です。その翌年に公開された映画ですから、俳優としてノリに乗っている時期ですね。
共演者としてロバート・デ・ニーロやジョー・ペシという名優が出演していますから、それだけでも楽しめる映画です。ジョー・ペシと言えば、ついつい『ホーム・アローン』の泥棒役を思い出してしまいますが、この映画と同じ年の公開です。でもコメディ映画の愉快な役柄と違って、この映画ではめちゃ怖いギャング役です。キレたら手がつけられません。
少年のころからマフィアの使い走りをしていたヘンリーが、やがて組織の中核として活躍するようになります。あらゆる悪事に手を染めていくのですが、麻薬に手を出したことで墓穴を掘ります。でも組織の事情を知り過ぎているだけに、刑務所にいても命を狙われます。
そこで検察と司法取引をすることで証人保護プログラムを適用され、マフィアのボスや幹部の逮捕に協力するというストーリーです。その後の実在のヘンリーは密かに暮らし、2012年に病気で亡くなっています。どうやらドラマ化の企画もあるそうです。
テンポ感が良くて、2時間半という長い映画があっという間に終わってしまうように感じます。それほど飽きさせない構成になっています。ただし問題は映画の内容が内容だけに、どうしても暴力シーンが多くなります。それゆえ苦手な人も多いでしょう。
このような作品は、映画の世界と現実を切り離す感覚を持っている人でないと観ることができないかもしれません。わたしはフィクションはフィクションとして完全に切り離すことができますので、現実の世界とリンクさせることはありません。実話だとわかっていても、映像の世界とは常に一定の距離を置いています。
でもその距離感があまり持てない人がこのような映画を観ると、嫌な気分になってしまうでしょう。日本で言えばいわゆる『任侠映画』がそうですね。さらに映画と現実の距離感が希薄な人はもっと困ります。自分がそのギャングの世界の一員であるかのように感じ、映画館を出たらその人物になりきってしまいますからね。場合によっては暴力を肯定することになりかねません。
映画やドラマのようなエンタメ世界の暴力を観るときは、適度な距離感を保つことが大切です。スパイ映画だって冷静になってみれば、バタバタと人が殺されていきます。それをエンターテイメントとして観ることなく、現実世界と見境なくなってしまうと大問題です。映画というのは、登場人物に感情移入することで自分の知らない世界を楽しむものです。でも同時に客観的な視点をなくさないようにすることが大切ですね。その視点が持てれば、最高に楽しい映画だと思います。
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