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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.149

働かなくてもある程度のお金をもらえるとしたら、あなたの生活はどう変わるでしょうか? そのことを真剣に考える時代になりました。

 

なぜならそれは架空の話ではなく、すでに行なっている国があるからです。

 

ベーシックインカム、フィンランドが試験導入。国家レベルで初

 

ついにフィンランドがベーシックインカム(BI)を導入しました。といっても、まだ試験的な導入です。それでも国家として決定を下したのは初めてです。

 

今年の1月から来年の12月までにかけて、無作為で選んだ2000人の失業者に対して、月額560€(約6万8千円)が支給されています。その2年間で、どれだけ失業率に影響をもたらすかを調査するためです。

 

ヨーロッパは社会保障制度が複雑で多層的です。ですから失業者の場合、恩恵を受けることができないのを避けるため、低収入や短期の仕事に就くことをしません。ちょっとくらい働きたいと思っても、保障を減らされないように我慢するわけです。

 

ところBIの場合は遊んでいようと働こうと、決まった金額が支給されます。だからもう少し収入を得たい人は短期の仕事をするでしょうし、このままでいい人は働きません。とてもシンプルなシステムなので、頭を悩ませる必要がないのです。

 

これこそがBIの最大のメリットだと思います。どの国でも社会保障費はかさむ一方です。特に経済が成熟した欧米や日本等は、高齢者の数が人口の多数を占めるようになります。現状のままの社会保障制度を続けることが困難であり、世代間の平等を維持することができません。

 

だったら一定の金額を最初から全国民に渡してしまって、あとはあなたの責任でやってください、という方が公平です。これまでかかっていた膨大な社会保障の予算を、BIに回していくという発想です。

 

その雰囲気を加速させているのが、近年の技術革新です。ロボットやAIが近いうちに人間の仕事を奪っていきます。企業の立場としては、文句ばかり言ったり、組合を作って権利を主張する人間の労働者を雇っているよりは、黙って24時間成果を出してくれるロボットに資金を注ぐようになるでしょう。

 

そうした将来の失業問題に対処するため、欧州議会は加盟国に対してBI導入についての可能性を検討するよう、来月の本会議で決議して勧告する予定とのこと。さらにカナダのオンタリオ、カリフォルニアのオークランド、スコットランドのグラスゴー、オランダのユトレヒトなどで、BIの実験的な導入が計画または議論されています。

 

日本でも同様に年金等の社会保障制度が行き詰っているので、BIの導入が検討されています。このフィランドの結果によっては、世界中でそうした動きが加速すると思います。一度は国民投票で否決されたスイスでも、再導入が検討されるかもしれません。

 

日本は高度経済成長の時代に比べると、社会的状況が大きくちがっています。終身雇用制度は崩壊しつつあり、今後消えていくだろうと予想される職種がいくつも列挙されています。でもBIが導入されて最低限度の金銭を受け取ることができれば、本当に自分がやりたいことをやってくチャンスだと思います。

 

BIの導入で労働意欲がなくなると危惧する人がいます。でも機械にできることは、人間がわざわざ自分の時間を切り売りしてやる必要がなくなる時代が目の前に来ています。やりたくない労働に無理して意欲を持つ必要はありません。

 

労働意欲なんて、なくなったらいいじゃないですか。でも人生を生きる意欲がなくなるわけではありません。むしろBIが導入されたら余暇が増えて、さらに生きる意欲が高まるはずです。生活のためではなく、自分のために時間を使うことができるようになるからです。

 

もちろんBIというシステムに関しては、まだまだ議論すべきことがあるでしょう。BIがすべての問題を解決してくれるとは考えていません。でも世界の現状を見ると、遅かれ早かれ導入されることになると確信しています。

 

そのときになってあわてないように、今から自分の行き方を見直すべきだと思います。特に20代や30代の人たちとって、今ほど未来が不確定な時代はないと思います。だって5年先の社会でさえ想像するのが難しくなっていますから。

 

フィンランドの試験導入が、どのような結果をもたらすか楽しみです。社会学的、心理学的、経済学的に、それらの結果が分析されることになると思います。この歴史的な一歩を踏み出したフィンランド政府に、心から賞賛の拍手を送りたいと思います。

 

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コメント (3件)

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  1. そらさんコメントに回答ありがとうございます。
    全世界でベーシックインカムが一般的になるといいのですね

  2. 暁美ほむらさん、コメントありがとうございます♪

    たしかに今すぐの日本では無理でしょうね〜www
    既得権益者にとって、BIは美味しくないですから。
    それなら海外で金をばらまいているほうが、メリトッがあるということでしょう。

    でも日本人はいい意味での優柔不断さを持っている民族です。
    他国で成功しているのを見て、BIを導入することが国際的なリーダーシップを発揮できると思えば、すぐに飛びつくと思いますよw
    国民のためではなく、あくまでも政治家や官僚たちにとってのメリットとしての判断でしょうけれど。

    そういう意味でも、スウェーデンの試験導入の結果に注目したいです。
    他国の動静も気になります。世界的な流れが変わるかどうかは、ここ数年が勝負でしょうね。

  3. 今晩はそらさん
    私もベーシックインカムは賛成ですけど 今の日本ではやらないでしょうね
    政治家も官僚も財界も自分らの私腹をこやすことしか考えてませんからね
    日本は破産しかかってる お金がないから税金あげる社会保証はかっとするといいながら
    ODAなどの経済援助などを気前よくばらまいてます。 国連の負担金も日本はアメリカについで負担してます
    就職難といいながら外国人をどんどんいれています
    こういった異常なことにみんなが疑問をもたないとどうしようもありません。
    政治家や害務省の官僚などが税金使って海外にいくたびに
    気前よく経済援助を約束して じゃぶじゃぶ税金をどぶにすててます
    ODAなどの援助にむらがる経団連や土建屋などやりたい放題です。
    本当に毎年経済援助でばらまく金額調べたら本当に驚きますよ


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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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