SOLA TODAY Vol.219
フィンテック企業が着々と新しい技術やシステムを構築していくなか、金融を仕切っている銀行がその進化に追いついていない印象があった。
だけどこれからの情勢を考えると、銀行もぼんやりと眺めているわけにはいかないはず。やはり大手の都銀が動き出した。
ついにメガバンクが「更新系API」を提供開始、マネーフォワードが経費精算振込で連携一番乗り
家計簿アプリや法人向けクラウド会計を提供しているマネーフォワードは、メガバンクが提供を開始した「更新系API」を利用することで、経費精算振込の連携をスタートさせた。
自社システムのプログラムにあたるAPIを公開したのは、みずほ銀行、三井住友銀行、住信 SBIという3つのメガバンク。これまで大手銀行が解放してきたAPIは、口座残高が調べられる程度の「参照系」に限られていた。
ところが今回のAPIの公開によって、マネーフォワードの利用者は振込処理等の決済業務を利用できる。ネットバンキングのIDやパスワードをマネーフォワードに渡すことなく、マネーフォワードはユーザーの口座情報にアクセスできるようになった。
現在は経費精算の振込からスタートしたAPIの連携だけれど、今年中には企業間の買掛金の決済にも利用できるようになるらしい。これは大きな変化だし、利用者にとってはありがたいことだと思う。
おそらく他のメガバンクも参入してくるはず。でないと競争に勝てないことが見え見えだから。各メガバンク独自のものだったAPIが公開されて標準化されることで、利用者としては特定の銀行に縛られることがなくなる。
変なたとえだけれど、自分が持っているカラオケボックスの会員証を使って、他の店舗でも歌を歌えるという感覚かな? だから銀行間の競争は激化するのは必至だろう。
さらに仮想通貨の普及が追い打ちをかけてくるから、銀行の存在意義そのものが問われることになる。規模の小さな地銀や信用金庫は、後れを取る一方になってしまうかもしれない。銀行の統廃合を含めた。かなり大きな業界再編がこの先に起こることになるだろうね。
いつまでも従来の銀行業務にこだわっている会社は淘汰されていくのだろうなぁ。今や事業を始めるのに、銀行からお金を借りる必要がない。クラウドファンディングが当たり前の時代になってきたからね。
フィンテック企業が注目されることで、これまで銀行が抱えていた既得権益が失われていくことになると思う。いいことだよね。2018年に改正予定の銀行法では、今よりさらにフィンテック企業と銀行の連携が加速するだろうと予測されている。
だからこそあわてて、メガバンクは自行のAPIを公開したのだろう。今日は4月1日で新入社員として銀行に入社した人が大勢いると思う。でも以前のように安定した業種だとは言えなくなってきた。これからの銀行業界は、本当に大変だと思う。
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