SOLA TODAY Vol.226
日本は地震国で、津波という言葉はそのまま世界で通用する。
日本人は何度も大きな震災を経験しているし、これからも地震なしの生活は望めないだろう。南海トラフ地震が、そう遠くない未来にいつ起きても不思議ではない。
そんな地震や津波が起きても、まったく影響を受けない建物が構想されている。免震機能がもうけられたビルなんて、その新しいビルの足下にも及ばない。
この記事を読んでぶったまげた。ビルが空中に浮かんでいたら、たしかに地震や津波を心配する必要がない。
といってもフワフワと飛行船のように空を飛んでいるビルじゃない。記事に掲載されいてたイメージはこんな雰囲気。
シュールな絵面だよねぇ。これはいったいどうなっているのか?
米ニューヨークの建築事務所「クラウズ・アーキテクチャー・オフィス(CAO)」が発表した「アナレンマ・タワー」はなんと、地球周回軌道に乗せた小惑星からケーブルでビルをつり下げるという構想になっている。すごい!
小惑星からつり下げるなんて……。
まずその部分に引っかかってしまう。そんなことができるのか? ところがかなり具体的な話らしい。
欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」が彗星(すいせい)に着陸し、米航空宇宙局(NASA)が小惑星のかけらを月の周回軌道に乗せる計画を進めている。だから決して荒唐無稽な構想ではないらしい。
もしこのビルが実用化されたとしたら、本当に画期的なことになるだろう。もう地震なんて怖くない。
だけど気になることはいくつかある。まずビルの権利関係はどうなるのだろう。空中にビルを作るわけだから、その気になればかなり新しい建物を増やせることになるかもしれない。
だけど土地なら所有者を特定できる。集合住宅でも日本の法律なら、区分所有という概念が存在する。でも小惑星の所有権ってどうなるの???
このビルの最上部の高度は3万2000メートルで、最大時速480キロメートルで北半球から南半球を移動するらしい。これだけ動いたら、もうすでに不動産とは言えないよね〜〜www
ビルの建材には軽くて耐久性のある炭素繊維やアルミを使うらしいけれど、それだけのスピードで移動していたら老朽化はまぬがれないと思う。さらにかなり寒いから、光熱費はかなりかかりそう。そもそもとんでもないスピードで移動しているから、外気を入れるという発想はないだろうけれど。
どちらにしても空中で暮らすのは辛いよなぁ。地震や津波の心配がないのはいいとしても、やっぱり落ち着かない。でも真剣に検討されているのだから、需要は見込まれているのだろう。人間の想像力って、本当に面白いものを生み出すよね。
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