SOLA TODAY Vol.337
自動車教習所に通うと、一応は車の仕組みを学ぶ。オイルの質をたしかめたり、ベルトのゆるみがないか確認することを教えられる。
教習所で習う始業点検という項目が、近い将来に大きく変わるかもしれない。なぜなら自動車の仕様が世界的に変更されるだろうから。
英、ディーゼル車とガソリン車の新車販売を2040年以降禁止へ
ディーゼル車やガソリン車の排気ガスは、大気汚染の元凶となっている。さらに自動運転車の実用化が目の前だけれど、基本的に電気自動車によって普及が進められていくはず。
そうした世界的な流れを受けたのか、イギリスはディーゼル車とガソリン車の新車販売を2040年以降に禁止することを発表するらしい。ほぼ決定しているので、近く正式に発表されるとのこと。
同時に地方自治体が大気汚染に対応できるよう、約370億円の基金を設立する。都会への自動車の流入をコントロールしたり、バスをより環境に優しいものに変更するなど、大気汚染に対して積極的に動いている。
フランスのマクロン大統領も、イギリスと同じく2040年までにディーゼル車とガソリン車の販売を段階的に廃止することを発表した。おそらくその決定に追随する国が他にも登場してくるだろう。
ボクはとてもいいことだと思うし、時代の流れを反映していると感じる。とりあえずメーカーにガソリン車を作らせらないのが、もっとも手っ取り早いだろう。
作らなければ、当然売ることはできない。すでにガソリン車に乗っている人についても、徐々に修理対応や部品の確保がやりにくくなり、いっそ電気自動車に乗り換えようかと考えることになる。そうして少しずつ石油燃料の自動車が消えていくだろう。
別の本で読んだけれど、スーパーコンピューターの導入により、新世代バッテリーの開発が確実に前へ進んでいる。短い時間で充電できて、驚異的に長持ちする。そして製造や廃棄に関して、環境に優しいバッテリーが開発されつつある。
バッテリーが飛躍的な進化を遂げると、フリーエネルギーを実用化するための足がかりになるとも言われている。自動運転車も電気を使ってコンピュータが制御するわけだから、電気自動車と相性がいい。
さらに製造に関しても従来の自動車メーカーとちがった企業が参入できるので、より安くて高性能の電気自動車が登場すると予想される。石油産業で生活している人には衝撃的だろうけれど、これは時代の流れだから仕方がない。既得権益にしがみついているとろくなことがないのを、世界中に示すべきだと思う。
カーレースも、今や電気自動車で実施される時代。まずは自動車産業を巻き込むことによって、一気にシフトさせるのが最良の方法だろう。そういう意味では、イギリスとフランス政府の決断に拍手を送りたい。
日本もトヨタあたりが率先して意思表明してくれたら、他社もあとに続くと思う。日本の政治家は選挙対応でメーカーに媚びるだけではなく、グローバルな視点を持ってこうした決断をメーカーに迫るべきだろう。
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