SOLA TODAY Vol.345
夏の夜は寝苦しい。でもしっかり睡眠を取っておかないと、熱中症や夏バテの危険にさらされることになる。
だけど現代人には照明があるゆえに夜が短い。日付が変わってからようやく布団にもぐりこみ、出勤にそなえて朝早くから起きる。だからついつい寝不足になりがちだろう。
ではまだ照明というものが発明されてなかった時代、当時の人々は現代人に比べてより多く眠っていたのだろうか?
現代人の睡眠不足は深刻らしい。ブルーライトの影響で体内時計が遅れ気味になり、ただでさえ就寝時間が遅い。職種によっては夜勤があったり、深夜まで残業をしている人もいる。さらにそうした過労がストレスの要因となり、不眠等の睡眠障害を起こしている。
そこで照明がなかった時代の人間の睡眠がどのようなものであったか、カリフォルニア大の研究者が中心になって調査をした。対象となったのはアフリカに住む3つの部族たち。電気やガス等のインフラが整備されていないので、人工照明は使われていない。
だから日が暮れると焚き火等の明かりだけなので、寝るしかないという生活らしい。ほぼ12時間は暗闇で過ごすことになり、午後9時には就寝して、朝は明け方の午前5時ころには起きるという生活。3つの部族は、どこも同じような状況だった。
たっぷり8時間は眠れる計算になる。でも実際はそんなに眠っていない。平均睡眠時間は6.4時間で、3つの部族ともほぼ共通していた。
なぜそんな結果になったのか?
どうやら夜中によく目を覚ましているらしい。現代人なら眠る時間は遅いけれど、睡眠障害のない普通の人なら朝までぐっすり眠っていることが多いだろう。だけどこれらの部族は、夜中に何度も目を覚ます人が多いらしい。だから結果的に言えば、照明を使っている都会の人とあまり変わらない睡眠時間だということ。
研究者たちの推測によると、狩猟民族独特の睡眠パターンだと考えられている。外敵が多い環境で暮らすことで、深夜に火を絶やさないように注意したり、家畜が襲われないように見張る必要がある。そうした環境的要因によって、途中覚醒する人が多いらしい。
これは猫を見ているとよくわかる。彼らハンター的な動物は睡眠が浅い。我が家のミューナも、ぐっすり眠っているようで、鳥の鳴き声がしただけで飛び起きて窓に張り付いている。
だから照明がなかったような時代の人たちも、現代人とたいして変わらない睡眠量だったのかもしれないね。こうなると人間にとって最低限必要な睡眠量が気になる。個人差はあるだろうけれど、環境が変わっても多い少ないを調整して、適切な量だけ眠るようになるのかな?
ちなみに現代人のボクは、朝までぐっすりとか、爆睡したとかという記憶が、物心ついてから一度もない。ほぼ毎日、90分単位で目がさめる。
お酒を飲んだり、睡眠導入剤的な薬を飲んでも同じ。誤差10分以内の範囲で、必ず90分ごとにパチっと目が開く。もうこれは死ぬまで続く習性だろう。一度でいいから朝まで記憶がなかった、という経験がしてみたいけれど無理そうだ。
ボクの場合、きっと狩猟民族的な睡眠なのだろうね。そういう意味では、狩猟動物に近い本能が根強く残っているのかもしれない。もしボクが原始人だったら、素晴らしいハンターだったかもしれないね〜w
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