楽観主義者は長生きするそう
健康寿命の延長は、高齢化社会となった日本人にとって大きな関心事だろう。さまざまな健康法やサプリが紹介されているけれど、気持ちの面において長生きに効果的なものがある。それは楽観主義とのこと。
なぜ楽観主義者は長生きなのか？どうすれば楽観主義者になれる？
イギリスのダラム大学で実施された研究。50〜79歳までの女性約16万人を26年間調査した結果によると、楽観主義者の女性はそうでない女性より全体的に長生きで、特に90代まで生きる可能性が高いということが分かったそう。興味深いのは楽観主義が他の長生きの要因に影響されていないこと。
リンク先の記事によると、「教育レベルや経済状況、民族、うつ病やその他の慢性疾患など、寿命に関する他の要因を考慮しても結果が変わらなかった」とのこと。健康的な食事をする、身体を動かす、タバコを控えるというライフスタイルの影響も24%程度で、楽観主義のパワーは圧倒的だった。
その理由として考えられるのは、ストレスの対処法らしい。楽観主義者の人たちのストレス対処法が効果的で、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えることができる。コルチゾールは心拍数や血圧の上昇、免疫系の機能低下など長期的な健康に悪影響な反応が起きて心血管疾患などのリスクを高めてしまう。
記事で紹介されている楽観主義者のストレス対処法はとても参考になると思う。抜粋してみよう。
『楽観主義者はストレスに満ちた状況に直面すると、そのことに正面から取り組む傾向があるとのこと。具体的には、ストレス要因に対処する方法を探したり、他の人にサポートを求めたり、「明るいきざし」を見つけてよりストレスが少ない捉え方をしたりする』
簡単に書かれているけれど、とても大切なこと。悲観的な傾向が強い人は、トラブルが発生したときにすべての状況が悪くなったと感じてしまう。問題のないことまでダメになったような気持ちになり、雰囲気だけで落ち込んでしまう。
一方、エセ楽観主義者の人はどんなことでも大丈夫だと自分に言い聞かせるだけ。スピリチュアル系のポジティブ思考に多いタイプ。不吉なことや悪いことを思ったり口にしないという『言霊主義』のようなものにとらわれていて、物事の本質を見ようとしない。だから結果として何も解決せずに、ストレスを抱えることになる。
真の意味での楽観主義者の人というのは、先ほどの説明のとおり。視点としてはものごとの『いい面』を見るようにしながらも、客観的な視点を失っていない。何がトラブルの原因なのかを冷静に判断して切り分け、問題解決することにだけ意識をフォーカスする。だから雰囲気だけで極端に落ち込むことがない。
とまぁ、ここまでの内容だと楽観主義は素晴らしい。そのとおりなんだけれど、楽観主義者になるのはなかなか難しい。人間というのは複雑な生き物で、楽観的になれるときもあれば、ちょっとしたことで立ち直れないかと思うほどへこんでしまうこともある。
落ち込む要因も人それぞれで、普遍的な対処法は見つからない。瞑想が心の健康に効果的なのは、自分の思考を客観視できるところだと思う。一歩引いて自分の思考を見つめることができるようになれば、健康寿命を伸ばせる楽観主義を会得できるのだろう。難しいけれどね。
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