ガストンとの対話 Vol.50
ガストンさん、ようやくこの対話も折り返し地点に来ましたね。終了は年越しすると思いますが、よろしくお願いします。
「人間の人生と同じで、始まりがあれば終わりがある。始まった瞬間からカウントダウンされているのだから、ひとつひとつを大切にしよう」
前回は体外離脱と明晰夢について触れましたが、こられに関してよく受ける質問があります。体外離脱をしてそのまま戻れないということはないのでしょうか?という質問です。個人的には戻れなかったら面白いだろうなぁと思っているのですが、実は戻らないようにするほうが難しいのですよねー
「人間が行動する世界の基準となるのは、意識が存在する世界だ。前回の例で言えばAの意識状態では、Aの身体が優先される。体外離脱や明晰夢の状態のときは、Aの意識でBの身体や世界を体験している。Bの世界を維持することが難しいのは当然だな」
意識と身体は一体のものですから、振動数が違う世界に長時間いることが難しいのですね。そうするとどうしても意識が存在する世界のほうが優先されるということですね。
「それは全てが意識だからだよ。この宇宙は意識があってこそ存在している。物質的なものは、意識があるゆえに存在していると理解するべきだな」
私は体外離脱や明晰夢の世界に長時間滞在するために、主に二つの行動を取ります。ひとつはその世界の「物」に触れてその材質を感じることです。特に植物等の樹木に触れているとその世界が安定するような気がします。
「もうひとつは何だ?」
もうひとつは、自分の両方の手のひらを見つめることです。これは植物に触れるよりも簡単で効果的です。時には指が6本あったりして驚くこともありますが、感情を鎮めつつ手のひらを見つめることで、その非物質世界が安定します。
「感情をコントロールするのは大切な要素だ。感情というのは心の問題のように思うが、物質的な現象でもある。アドレナリンという物質を知っているであろう。感情が激しく動けば、肉体にも変化が現れる。そうすればAの世界に存在する身体が目を覚まして活動するから、Bの身体を維持することが難しくなるのだ」
それは私も実感しています。平静でいることは長時間滞在することの基本ですね。それ以外に植物に触れたり、手のひらを見ることの共通点は何でしょうか?
「よく考えればわかることだよ。それはどの世界でも同じだ。世界を存在させているのは過去でも未来でもない。それは……」
やっぱり答えはそこに行き着くのですね!「今、ここ」にいることが、その世界を安定させることになるのか。植物に触れることも、自分の手のひらを見つめることも、「今、ここ」にいる行為だからその世界が安定するのですね。
「どの世界も「今、ここ」しか存在しない。それはどの世界にも共通する厳然たる事実だ。だからこそ日常の人生でも、「今、ここ」にいることが大切だということだな」
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