油断できない本
今日も寒い一日でしたが、ようやく寒気のピークが過ぎたような気がします。我が家は六甲おろしがモロに吹き込んできますので、気圧配置の状況が天気図を見なくてもわかるのですよね。今朝の明け方には暴風が収まりましたので、ちょっと冬型が緩んできたと思います。
午前中に買い物に出た時の写真ですが、すっかり紅葉が色あせてきました。身体に感じる気温だけではなく、見た目でも確実に冬が近づいてきているようですね。でも歩くのには最適な気温です。今日も２時間たっぷりと歩いて、ポカポカになって帰ってきました。
さて１日１冊のペースで本を読んでいますが、ここ数日は手強い本と格闘していました。読了するまでの５日強かかりました
『国家』プラトン著 という本です。
ページ数が550ページほどあるのが、読了するのに時間がかかった理由のひとつです。でもそれ以上に苦労したのは、特殊な翻訳方法でした。紀元前４世紀にギリシャで書かれた文章を、その言葉のニュアンスのまま翻訳しようとされた本だったのです。そのほうが、本来の言葉が持っているニュアンスを伝えられるという意図だと思います。
最も出版年数の新しい本を選んだつもりでしたが、手元にやってきたのがこの本。とにかく読みづらい……
日本語の文法や慣習を無視したような文章ですから、まるで記号を読んでいる感覚なのです。もっと現代語に近い翻訳本もあったかもしれませんが、これも何かの縁。何としてもこの本で読了してやろうと、必死で最後まで読みました。
ほんの一瞬でも違うことを考えると、文章の意味が全く理解できません。頭の片隅で次の日の予定を数十秒考えただけで、もうただの文字の羅列にしか見えません。そんなふうにして、何度も行きつ戻りつしていましたので、読了するのに時間がかかってしまいました。
でも、読書に対する集中力を養うという意味では、いい練習になった本でした。そしてそれ以上に、とても素晴らしい内容でした。おそらくプラトン哲学の基本中の基本が、この本に記されていると思います。この短いブログの場で語れる内容ではありませんが、私の人生観に大きな影響を与えてくれました。
今日図書館でこの本を返却して、同じくプラトンが書いた『パイドン 魂の不死について』という本を借りてきました。最初の１章を読み始めましたが、現代文表記ですので読みやすい〜〜〜！哲学的な文章がスラスラと頭に入ってきます。苦労しましたが難解な翻訳本を読んでよかったかもしれません。
今日借りてきた本を読めば、ソクラテスがなぜ毒を飲むことを選択したのかという私の好奇心の一部が満たされるような気がします。さらに予約中の『ソクラテスの弁明』を読めば、さらに理解が深まるでしょう。
たまには強烈な集中力を要する、こうした「油断できない本」を読むのはいいことだと思います。昨日の午後読了したあと、就寝前には『ロード・オブ・ザ・リング』の原書を読みました。英語の文章がスラスラと理解できると感じるほど、「油断できない本」の効果絶大でしたよ〜〜
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