メチャ気になる Vol.33
日銀がマイナス金利の実行を発表した時、ある声をネットでちらほら目にしました。
「銀行に預金していると、手数料を取られる」というアホな声です。でもほんの一部の声だと思っていました。ところがそうでもなかったようです。
マイナンバーが施行されたことで、個人資産の情報を補足されたくないと感じる人が自宅用の金庫を購入し始めたそうです。さらにマイナス金利の発表で、その傾向が一気に加速しました。
埼玉県本庄市にあるカインズホームという店舗では、今年になって金庫の売上が前年比330%の増加だったそうです。全店舗の合計でも、160〜170%増加しています。あいた口がふさがりません。
売れ筋は12,000円程度の金庫らしく、売れすぎて入荷まで数週間待ちの商品もあります。その影響で金庫作っている日本のメーカーの株価がここ1ヶ月で倍の値段になっています。さらに金庫を輸入販売している会社も売上が倍増とか。
俗に言う「情報弱者」という言葉があります。ネットが一般化している現代において、個人が得ている情報格差が広がっています。スマホを日常使いにしている人と、いまだにガラケーを使っている人では、手にする情報の絶対量が違ってきます。後者の人の方が情弱になりやすいのは明白です。
私は情報弱者には二つのパターンがあると思います。
一つは先ほど書いたように、浴びている情報量が圧倒的に少ない人です。ネットを自由に操れない年配の方にもこういう傾向があるでしょう。でも情弱にはもう一つ別の面があると思います。多くの情報を受け取っている人にも起こることです。
それは得た情報を適切に消化できない人です。ネットに書かれていることを鵜呑みにしたり、自分勝手に判断して思い込んでしまう。そしてガラクタのような情報で頭をいっぱいにしてしまうのです。これも一種の「情報弱者」でしょう。
今回の金庫騒ぎは、後者の人が大きく影響しているような気がします。「マイナス金利」という言葉だけが先走りして、慌てて自宅に預金を置くことを考えています。特に年配の老後資金を貯め込んでいる方たちにそのような傾向が強いようです。
マイナス金利は、中央銀行である日本銀行が都銀や地銀に対して行うものです。社会に資金が流れるように、日銀に置いている金融機関の資金を解放するための施策です。
もし銀行が個人の預金者から金利を取るようなことがあれば、誰もが預金を引き出して取り付け騒ぎになります。中小の銀行が破綻して、恐慌のような状態になってしまいます。冷静に考えればそんなことがありえないのが理解できるはずです。
ところが情弱の人にとっては、それが現実的なのですよね。当然ながら普通預金の金利は限りなくゼロに近づくでしょう。それでも預金者が金利を払うようなことは起こりえません。老後資金の現象を心配するのなら、自宅にタンス預金をするのではなく、別の投資を考える方が賢明です。
おそらく金庫が売れているという情報を、空き巣を商売にしているような人物は察知しているはずです。ですからそうしたタンス預金狙いの犯罪が増える可能性があります。この記事でも警備会社のセコムが、「金利が下がったとしても、自宅に現金を置いておくより銀行に預けたほうが安心」とコメントしています。
情報弱者にならないためには、情報を浴びる必要があります。でもそれを適切に消化することを身につけないと、結局は情報弱者になってしまいます。それは情報を咀嚼して、自分の頭でじっくり考えることです。ちょっと手間をかけたらできることですね。この記事を読んで、そんなことを感じました。
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