高羽そら｜たかはそら（作家、小説家）オフィシャルブログ

法律が持つ基本的な概念は、規制することだと思う。人間は放っておくととんでもないことや、ずるいことをやってしまうから、国家権力によって監視するというのが目的だと言っていい。

はっきり言えば人間を信用していないということだけれど、ある意味仕方ないと思ってしまうのが現代社会の現状かも。ところがそんな規制に関して、思わず大笑いしてしまうほどの法律を検討している国がある。それはロシア。

ロシアが2015年以降に生まれた人のタバコ購入を禁止する法案を検討中

最初この見出しを目にしたとき、冗談かと思った。ところがどうもロシア政府は本気らしい。2015年生まれの子供たちが18歳になる2033年から、この法律を発布する予定だとか。

その理由はロシアの高い喫煙率とのこと。この記事によると、世界でもっとも高い喫煙率を持つ国は、2015年の統計でインドネシアの76.2%。次がヨルダンの70.2%で、ロシアは堂々の第５位で59%の喫煙率。ちなみに日本は33.7%らしい。

ロシアは未成年の喫煙率でも、わかっている範囲で13%という数字なので、子供の健康被害を無視できない状況なのは理解できる。だけど国家が規制することで喫煙する人が減るとは思えない。

人間というのは不思議な生き物で、ダメだと言われるとやりたくなる性質を持っている。少なくともボクはそうだった。

初めてタバコを吸ったのは15歳。その最たる理由は法律的にダメだからw

高校生になると１日に１箱は吸っていたし、自宅でも火事を出さないという条件で黙認されていた。ところが成人するとピタッとタバコを吸わなくなり、もう30年以上は手に取ったことがない。

その理由は、法律的に吸ってもいいからw　誰でも吸えると思うと、バカらしくなってしまったというのが本音。

だからと言って、法律で規制されるから、泥棒や殺人をしたいと言っているのではない。ある人間には認められて、別の人間には認められないという規制に反発を感じるだけのこと。お酒に関しても同じ。浴びるほど飲んでいたのは高校生のころがマックスだったと思う。それは年齢によって規制されていたから。

だからロシアでこんな法律を作っても、かえってタバコに手を出す若者が増えるだけだと思う。だって2014年生まれの人間は、堂々と吸えるんだよね。でも１年あとに生まれただけで、法律違反になる。そんな規制が信任されるとは、とうてい思えない。

最大の問題は、行政サイドがどのようにしてこの規制を維持するかということ。タバコ吸っている18歳以上の人間に対して、いちいちIDチェックをするのかどうか？　違反した場合、どのような罰則を設けるのか？　公務員の立場になれば、余計な仕事が増えるだけにしか思えない。

でも、もしこの法律が厳格に適用されたらどうなるか？

諸手を上げて喜ぶのが、ロシアマフィアでしょう！

麻薬なら大人でもダメだから売買には慎重になるけれど、タバコだったらそれほど危ない橋を渡る必要がない。闇で密造したタバコなら、経費も抑えられはず。マフィアの新しい資金源になる可能性は十分にあるよね。

こんなアホな法律を考えている時間があったら、タバコが身体に及ぼす害について啓蒙する方がマシだと思う。吸いたければ自由に吸ってもいいけれど、こんなことになってもいいの？　そんな『善意の恐怖』を植え付ける方が、この法律を施行するよりずっといい。

とりあえず麻薬とちがって、タバコは幻覚で他人を傷つける恐れがないからね。喫煙率を減らしたいのはわかるけれど、こんな中途半端な規制は無駄でしかないと思う。といって一般庶民が手を出せないほどタバコに関する税金を課すのもダメかも。

アメリカの禁酒法のように、闇タバコが出回るだけだと思う。これまたマフィアには美味しい話。とにかく無駄な規制なんて、やらないほうがいいということかもね〜！

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