SOLA TODAY Vol.344
電化製品が必要となった場合、最近の一般的な傾向としてはどこで買うことが多いのだろう?
ちょっと前ならヤマダ電機等の家電量販店という答えが返ってきたと思う。でも今はAmazonだって電化製品が買える。ボクも少し前に買ったプリンターは、Amazonで購入した。
だけどボクたちが子供のころは、ネットも量販店もない。あるのは街の電気屋さんだけ。各メーカーによって代理店が置かれていて、地元に密着したお店がどんな街にでもあった。
そんな街の電気屋さんはどうなっていくのだろう?
「街のでんきやさん」を救え!パナソニックの系列店、約3割が後継者難
現状は、このタイトルとおりらしい。パナソニック系列店である「パナソニックショップ」の約3割が後継者の確保ができていない。経営者の平均年齢は63年に達し、今後10年以内に多くの店が事業承継時期に差し掛かる。ところがその目処が立っていない。
その理由の多くは食べていけないからだろう。ただでさえ家電量販店に客を取られ、ネットの普及でさらに追い討ちをかけられている。どう考えても別の商売をするほうが割に合ってる。
パナソニックは必死になって「店舗引き継ぎガイド」等を作成して事業承継を進めている。売上全体の2割を占めている「パナソニックショップ」だから、無視することはできないのだろう。
30年ほど前、ボクが税理士事務所で働いているとき、この「パナソニックショップ」の店舗の自営業者を担当したことがある。当時は「ナショナルショップ」だったけれどね。
その当時でも経営は大変だった。利益率を見ていると、ため息しか出ない。そのうえ地域の電化製品に関する相談役のような立場でもあるから、年配の人を中心にしてどんなことでも相談に乗っておられた。そうしたなかから、新製品に買い換えてくれる人がいるから。
京都市内の百貨店で「ナショナルフェア」等があると、強制的に呼びつけられる。ボクも担当している店主の集客率アップに貢献するため、百貨店まで行ったことがある。とにかく苦労が多くて、大変な仕事だった。
30年前でそんな状況だから、現代においてはさらに経営状態がきびしいのは当然だろう。それでもまだ「街の電気屋さん」を頼っている人はいるはず。そのあたりの微妙な事情で、簡単に廃業させるわけにもいかないのだろう。
だけど結論から言えば、こうした店舗は淘汰されていくしかない。だってボクたちのような電化製品に慣れている世代が高齢者になったとき、街の電気屋さんを利用することはまずないだろう。
機械そのものが進化していて使いやすく、設置しやすくなっているし、自宅に搬入してもらいさえすればどうにかなる。故障等で困ったことがあっても、ネットで調べることができる。少なくともボクの生活にとって、街の電気屋さんが関わることは今の段階でさえあり得ない。
これはパナソニックに限らず、他のメーカーにとっても共通した悩みだろう。そうなると思い切った決断をすることが、この先必要になると思う。どこか一社でも大手のメーカーが代理店制度から手を引いたとき、他のメーカーも追随するだろう。
きびしいけれど、これが現実だと思う。そしてこの先、消えていく職業は街の電気屋さんだけじゃない。もっと多くの仕事が機械に奪われていくだろう。だからこそ常に頭を柔軟にしておかなくてはね!
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