SOLA TODAY Vol.539
『三つ子の魂百まで』という言葉がある。最初の経験は、その後の生き方に大きな影響を与えるということ。
現在のアラフォー世代が、まさにそんな状況にあるらしい。
今でこそ就職は売り手市場で、景気の良さが多少は反映されている。だが現在の30代後半から40代になろうとする世代は、マクロ経済が最悪の状況だったので、就職に相当苦労している。
何十社と面接を重ねたにも関わらず、結局は正規雇用とならなかった人が大勢いる。そんな就職氷河期を経験した人が、現在はどのように暮らしているかを調査した記事。
一橋大学の教授が研究した結果では、初めての仕事が非正規雇用だと、その後も非正規雇用で働いている人が多いらしい。2015年の総務省の統計によると、不本意非正規という環境で働いている人が、315万人にもなっている。
現在の生活満足度について「不満」と答えた人は、スタートが正規雇用の人は43%だけれども、非正規雇用の人は63%という高い数字が出ている。さらに非正規雇用で社会人をスタートした人は、そうでない人に比べて抑うつ度が高いとのこと。研究している教授はこう述べている。
「それでなくても、一般に非正規社員は正社員より所得が少ない。その分、メンタルが悪化しやすいことは容易に想像がつくのですが、たとえ所得が同じ水準であったとしても、正社員と非正規とでは、非正規のほうがストレスを抱えやすいことが浮き彫りになりました」
就職氷河期だと、企業のほうが上手に出る。おそらく面接の度に人格を否定されるような言葉を受けたり、挫折を経験した人が多いはず。それらはトラウマとなって、その後の人生に影響を及ぼすのだろう。幸せを感じにくくなっているのかも。
非正規雇用で仕事を始めた人は、独身の人が多いという結果も出ている。正社員とちがって研修や飲み会の社内ネットワークからはじかれるので、出会いの場が少ないらしい。収入が少なくて安定しないことも、結婚を躊躇する理由になっているかもしれない。
昨日のツイートで話題になっていたことがある。平昌五輪に関連する記事から出たもので、失敗は成功の母になるかどうか、というもの。金メダルを取った選手が、過去の失敗が貴重な経験だったことを述べるからだろう。
だけど失敗が貴重な経験となるためには、大切な前提があるらしい。
それはその人の過去に、成功体験が存在していること。
どんな小さなことであっても、成功体験という記憶があるから、失敗しても継続することができる。最初から失敗しか経験していない人が、それらを貴重な経験として成功に導くことは難しい。そういった内容だった。
ボクもそのとおりだと思う。失敗に失敗を重ねているだけなら、テンションは下がる一方で、成功なんて想像もできないだろう。ジャンルはちがっても、『自分はできた』という経験があるから、挑戦しようと前を向けるのだと思う。
この記事からもわかるように、スタートは大切だということかもね。小さなことでもいいから、自分のなかに成功体験を積み重ねていくことは大切なんだと思う。特に子供たちには、そういう経験をさせてあげるべきだろう。自信を持てる体験をさせてあげたいよね。
そうすれば未来で大きな壁にぶつかったり、とんでもない失敗をやらかしても、再び立ち上がろうとするだろう。心理学的に、とても興味深い記事だった。
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