冤罪を確実に証明する方法
冤罪というのは怖い。日本には死刑が存在するから、冤罪で死刑判決を受ける可能性はゼロじゃない。死刑囚の再審請求が認められて、無罪となった例はいくつもある。
男性のボクに身近なところでは、痴漢の冤罪も恐ろしい。女性が意図的であっても、あるいは勘違いであっても、痴漢だと指摘されてだけでかなりマズい。自分の無実を証明できなければ、そのまま痴漢の汚名を受けるしかない。ひどい場合は仕事を失ってしまうこともある。
もしなんらかの犯罪が起きて自分に罪が着せられそうになったとき、確実に証明する方法がある。でも確実だというだけで、実はもっとも難しいかもしれない。
それは『真犯人』を見つけること。
こんなこと普通の人間には無理。だから映画や小説のテーマになる。テロと殺人の罪を着せられ、たったひとりで戦った女性の映画を観た。
『サバイバー』という2015年のアメリカ・イギリス映画。写真のミラ・ジョヴォヴィッチが主演している。
ミラ・ジョヴォヴィッチが演じるのは、ケイトという外交官。とても優秀な人物で、テロ犯の特定に優れた能力を持っている。それでロンドンのアメリカ大使館に配属される。
そんなケイトが怪しい人物に目を付ける。学会目的でアメリカ入国のビザを求めている男性。不穏なものを感じたケイトは、その男性を徹底的に調査する。実はその男はテロを実行しようとしている科学者だった。それゆえ組織はケイトの暗殺を命じる。
暗殺の指令を受けたのは、『時計屋』という通称を持つ凄腕の殺し屋。その男をピアース・ブロスナンが演じている。oo7のイメージが強いけれど、彼の本格的な悪役を観たのは初めてかもしれない。
時計屋はいきなりレストランに爆弾を仕掛ける。たまたま席を外していたケイトは一命を取りとめるが、同僚たちは犠牲になってしまう。そのうえ、彼女はそのテロの容疑者として指名手配されてしまう。
この冤罪を証明するためには、実行犯を捕まえるしかない。そこでケイトの孤独な戦いが始まるという物語。
映画の展開もいいし、ミラ・ジョヴォヴィッチは綺麗だし、それなりに楽しめる作品だった。この手の映画としてはまずまずだと思う。
ただし突っ込みどころが二つある。
ひとつは、時計屋が間抜けすぎること。ケイト以外の人間は完璧に殺すのに、何度も彼女の暗殺に失敗する。偶然が作用しているとはいえ、カリスマ的な暗殺者としてはお粗末なキャラだった。ピアース・ブロスナン本人が持っている『正義の味方』イメージも、その悪役キャラを邪魔していたかもしれない。
もうひとつはケイトが強すぎること。大学を出ただけの外交官のはずなのに、とにかく強い。『バイオハザート』のアリスのように、ミラ・ジョヴォヴィッチが敵を倒してしまう。銃の扱いも手慣れている。
これじゃ特殊部隊の訓練を受けた兵士にしか見えない。そのあたりの伏線が仕込まれていたら、この映画の評価もぐっと良くなったと思う。普通の外交官がなんでこんなに強いねんと思ってしまうと、そこが気になって仕方ないwww
とにかく結末としては、彼女は真犯人を明らかにすることで冤罪を証明できた。まぁ美人のミラ・ジョヴォヴィッチを堪能するには、最適な映画だったと思う。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
『第1回令和小説大賞』にエントリーした小説を無料で読んでいただくことができます。くわしくはこちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする