今夜のWHO総会は要チェック
本日の日本時間の午後7時、WHOの年次総会が開催される。今年は新型コロナの影響で、テレビ電話形式で実施される。ゆえに予算等の議題を控えめにして、コロナ対策についての議論が中心となる予定。
ただ通常どおりに終わりそうにない。もしかすると今年のWHO総会は、人類の未来を変えた分岐点になるかもしれない。そして最悪の場合、アメリカと中国の冷静が悪化する可能性がある。
WHOが18日から総会 米中対立の構図 「新たな冷戦」に拍車
リンク先は産経新聞の記事。総会の議題は今後のコロナ対策になるだろう。だけどアメリカを中心とした同盟国は、もしかしたら台湾問題の採決を迫るかもしれない。
台湾は独自のウイルス封じ込めに成功して、5月16日の段階で感染者は440人、死者は7人に抑えている。日本も素晴らしいと言われているけれど、台湾にはかなわない。ましてやヨーロッパやアメリカにすれば奇跡的なことだろう。
台湾は蔡英文総統のリーダーシップにより、独自の対策を打ち出した。マスクの配布にしても、ネットを駆使することで全国民の手に届いている。それゆえ世界からその手法が注目されていて、WHOのオブザーバーとして参加が期待されていた。
当然ながらアメリカは今月の15日に台湾の参加をWHOに求めている。だけどWHOには権限がないということで拒否された。これでアメリカは怒っている。
2009〜2016年の総会に台湾はオブザーバーとして参加していた。だけど台湾独立を目指す蔡英文総統が選挙で選ばれると、中国が態度を硬化させた。つまり台湾の参加を拒み、WHOに圧力を欠けているのは中国だということ。だからアメリカの矛先は、中国へと集中している。
今夜の総会では台湾の参加問題だけでなく、WHOによる初期対応のまずさも追及される可能性もある。感染が広がりつつあった今年の1月22日と23日の緊急委員会で、WHOは緊急事態宣言を見送っている。その背後で圧力をかけていたのは中国だということを、いまや疑う人のほうが少ないだろう。
なぜならその空白期間に、中国は大量のマスクや防護服等を輸入している。その後のマスク等の不足を考えると、どう考えても悪意が見える。この中国の不当な圧力に対しても、今夜の総会で追及されるかもしれない。テドロス事務局長がどのような決断をするかが注目されるところ。
台湾の総会参加は、この先のウイルス対策にとって必要不可欠だと考えられている。なぜなら感染者と濃厚接触者に対して、かなり詳細なデータを収集しているから。朝日新聞の記事によると、かなり興味深いことが書かれていた。
発症してから6日後には、誰にも感染していないというデータが出ている。無症状の感染者も、陽性反応が出てから6日後には誰にも感染していないそう。つまり発症から二週間という隔離は不要かもしれない。ドイツでも8日後には二次感染がないというデータが出ているらしい。
こうしたデータを集めることで、今後の第二波、第三波に対する医療体制が変わってくる。より効率的な方法でウイルスに対処できるので、医療崩壊を防ぐことにつながるだろう。だからこそ台湾の参加が望まれている。
だけど台湾を自国の領土と言い張っている中国が、2016年以前のように台湾の参加を認めるわけがない。つまりアメリカとは徹底抗戦になる可能性が高い。今後の世界情勢を占う意味でも、今夜のWHO総会は超チェックだと思う。
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