無観客試合で起きること
世界的に新型コロナウイルスによる規制が続いてきたが、北半球では徐々に厳しい規制が緩和されつつある。スペインは7月から海外の観光客を受け入れるそう。観光に依存している国は同様の判断をしていくだろう。
そしてプロスポーツも再開されている。ドイツではサッカーのブンデスリーガの試合がリスタートした。日本でもプロ野球の開幕が6月19日と発表された。ただしどちらにも共通していることがある。再開はするけれど、無観客試合という条件付き。
プロスポーツの醍醐味は観客あってのもの。だからサッカー場や球場に観客がいないプロの試合が、どのようになるかに関心が持たれている。
無観客試合となると何が起きるのか? それに関する面白い記事がある。
スポーツが無観客試合になると、選手や審判の心理にここまで影響する
無観客試合でもっともわかりやすい影響は、入場料収入が激減すること。このあたりはプロチームを持っているオーナーは頭が痛いだろう。でもそうした経営部分は置いておいて、注目されているのが選手と審判の心理状態。
数は少ないけれど、ペナルティ的な意味合いで無観客試合が行われたことがある。それはヨーロッパのサッカー。それらのデータをまとめると、少し面白い結果が出ている。
審判が出すファウルの数が少ない、ということ。
さらに興味深いのは、ホームチームとアウェイチームに出されたファウルの数がほぼ同じだった、ということ。
つまり逆から見れば、観客がいる試合だとファウルが多い。それもアウェイチームに多くの警告が出されている。選手の立場になればなんとなく想像できる。アウェイの選手は移動で疲れているし、使い慣れないロッカーにストレスがたまる。
そのうえ観客席はホームのサポーターで埋め尽くされている。だから勝負に勝つために、激しいプレーを多用するのかもしれない。ただしリンク先の記事によると、選手よりも審判に与える影響が大きいらしい。
大勢の観客がいると、審判はどうしてもホームチーム寄りの判定を下してしまう。微妙なプレーだと、ついホームチームに有利な判定を下す。なぜなら大勢のサポーターの野次に耐えられないから。
サッカーのような接触プレーが多い競技だと、そうしたホームバイアスがかかる可能性が高いかもしれないね。日本のプロ野球だって、甲子園でタイガースに不利な判定が出るだけで球場は大騒ぎになる。
要するに観客がいないと、審判は公平な判断ができるということ。でもプロなんだから、本来はどんな環境であっても公平な判断が求められる。この記事でも、世界的な大会で審判をするような人物は、観客に影響を受けないらしい。
もしかすると無観客試合は、審判にとって彼らの技量の試金石となるかもしれない。無観客試合で公正な判定を下していた審判が、観客が戻った試合で微妙な判定を連発することになれば、心理的に影響を受けていることが暴露されてしまう。
おそらく世界中の心理学者は、無観客試合を経過したあと、審判や選手にどのような心理的変化が起きるのかを注目していると思う。相撲のように大勢の力士が個々に戦うスポーツと違い、野球やサッカーのように観客を2分する競技はなんらかの影響が出そう。ボクも興味があるなぁ。
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