三角関係で吸血鬼になるとは
人間って、ヤケになると怖いよなぁ。昨日神戸市の北区で起きたヤマト運輸での殺人事件は、解雇された犯人がヤケになって起きた事件らしい。追い詰められ、思い詰めた人間ほど怖いものはないかもしれない。
物語の登場人物だけれど、ヤケになったせいで吸血鬼になってしまった男性がいる。こんな展開を予想していなかったので、マジで驚いてしまった。
『シャドウハンター 灰の街』上巻 カサンドラ・クレア著という小説。全部で3部作となっている『シャドウハンター』シリーズの第2弾の上巻を読了した。
第1弾の感想でも書いたように、『ハリーポッター』とよく似た構成の物語。シャドウハンターは天使と人間のミックスで、異次元からやってくる妖魔を殺すのが使命。それ以外にも吸血鬼、人狼、妖精、そして魔法使いまで登場するというファンタジー作品。
映画がきっかけで読み始めたけれど、映画のことを忘れたいほど原作は面白い。とくに登場人物の人間関係が巧妙に構成されていて、読みながらヤキモキさせられる。
主人公はクラリーという16歳の女性。両親ともにシャドウハンターなんだけれど、母親はそのことを教えず人間として育ってきた。彼女にはサイモンという幼なじみの男性がいる。人間なのにこの物語では大活躍する。
そしてもう一人重要な人物がシャドウハンターのジョイス。クラリーの母が妖魔に襲われたことで、彼女とジョイスは出会い恋に落ちる。ところが映画ではスルーされたけれど、第1弾で衝撃的な事実が明かされる。
クラリーとジョイスは、両親が同じ兄妹だった。そして父親はこの物語で最大の悪役であるヴァレンタインという裏切り者だった。二人は愛し合っていたのに、血縁があることを知って愕然とする。
第2弾でも、いきなりヴァレンタインが仕掛けてくる。恐ろしい妖魔を召喚することで、カップと剣の秘宝を奪い取ってしまう。そしてそれらを使って妖魔を大挙して呼び寄せることで、この世界を支配しようと計画していた。この上巻ではその陰謀が明らかになったところ。
ただ上巻でもっとも驚いたのが、タイトルに書いたこと。ジョイスが実の兄だと知ったクラリーは、自分のことを愛してくるサイモンと恋仲になろうとする。それが自然なことだと思うから。そしてサイモンのことが大好きだったから。でもそれは家族に対する愛に近く、どうしても男性として愛せない。
そしてある事件が起きて、クラリーとジョイスがキスを強要されてしまう。それは悪意ある妖精の悪戯だった。だけどそれを目撃したサイモンは、クラリーが自分を男性として愛せないことに気がついてしまう。完全に三角関係がこじれた状態。
それでサイモンは、なんと吸血鬼の巣窟に飛び込んでしまう。そして唯一の人間だった彼が吸血鬼となってしまった。さすがにこの展開には驚いた。
さて下巻はどうなるのだろう? ボクは第1弾を読んだときから、クラリーとジョイスは兄妹ではないと感じていた。そうしないと話が面白くないからね。そしてサイモンが吸血鬼となったことで、そのことを確信した。だったら二人の本当の関係は?
どんなオチになるのか期待している。下巻を読むのが楽しみ。ガッカリさせないでよねぇwww
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