国民投票で決めることなの?
神戸は外国の方が多く居住されている。だからボクが暮らしている六甲界隈を歩いていると、観光客ではないと感じる外国人の人たちをよく見かける。
顔を見れば日本人でないことはわかるけれど、遠くからでも外国の人だとわかることがある。それはブルカを身につけているイスラム教信者の女性。
布で顔をおおっておられるのですぐにわかる。イスラム教のことはよく知らない。なぜ男性は顔を隠さず、女性だけにそうするのか不明。どこか男尊女卑の空気を感じるけれど、イスラム圏の若い女性にとってのブルカは、近年になっておしゃれアイテムとしても注目されているそう。
そもそも宗教的なことなのだから、日本人のボクがどうこういうことではない。街で見かけてもイスラム圏の人なんだなぁ、と思うだけのこと。それ以上に何も感じることはない。だけどヨーロッパはそうでもないらしい。
スイス、国民投票でイスラム教女性の衣裳「ブルカ」を実質的に禁じる法案可決
今朝一番にこの記事を見て驚いた。こんなこと国民投票で決めることなの?
僅差での可決だったそうだけれど、法案として成立している。ブルカを名指ししているわけじゃないけれど、この法案の目的の一つとして、マスクを着用した暴力的な抗議活動阻止することが含まれている。でもそれは方便であって、イスラムの文化であるブルカを指しているのは明確らしい。
スイスの国会議員がこんなことを語っている。記事から抜粋してみよう。
『「スイスでは顔を隠さないことが伝統だ。これはわれわれの基本的な自由を表す要素の1つでもある」と語り、顔を覆うのは過激で政治的なイスラムの象徴で、これが欧州で存在感を強めているが、スイスに居場所はないと強調した』
顔を隠さないことが基本的な自由ならば、隠すことも自由ではないだろうか? ここまで過激になる感覚が理解できない。でもこれはスイスだけのことではないらしい。
リンク先の記事によると、欧州ではフランスが2011年、公共の場で顔を完全に覆う衣装を着用することを禁止。デンマーク、オーストリア、オランダ、ブルガリアも公共の場で顔を覆うことを完全に禁止するか、制限を設ける法律を導入している、とのこと。
これってどう考えても宗教的な差別だろう。たしかに顔が見えないというのは不気味ではある。何を考えているのかわからないという感覚は理解できる。だからといって法律で規制するべきものだとは思えない。
銀行や郵便局にフルフェイスヘルメットや目出し帽で入店するのとは、明らかに事情がちがう。ブルカは宗教的なものでもあり、同時にファッションでもある。スコットランドで男性がスカートをはいているのと同じこと。
そう思うと、日本人というのは寛容だよね。悪い意味でいえば鈍感であり、いい意味でいえば懐が深い。特に宗教に関してはそう思う。だからお正月は神社で初詣をして、クリスマスやハロウインを祝い、家族が亡くなったらお寺の僧侶に依頼する。ボクはそんな日本人の柔軟な感覚がとても気に入っている。
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