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高羽そらさんインタビュー

刑法ほど怖いものはない

法律は人間の権利を守るもの。理不尽な暴力や不当な取引を仕掛けた人間を罰するだけでなく、そうした事例を未然に防ぐ抑止力となるものでもある。

 

なかでも刑法は殺人や傷害という事例に関わるので、人間の命を保護するために欠かせない。法律なしで平和と安全が維持できるほど、人間の精神は進化していないから。

 

だけど法律は人間が定めたものである以上、絶対的で完璧なものではない。それゆ両刃の剣のような危うさが常につきまとい、人間を守るための法律によって人を地獄に落としてしまうことがある。

 

昨日ある記事を読んで、法律、特に刑法が有する恐ろしさを実感した。

 

尊属殺人罪は違憲か合憲か? 親子二代にわたる執念の戦いが日本の裁判史を塗り替えた 大貫正一弁護士ロングインタビュー

 

少し長い記事だけれど、ここに書かれている事実を知らない人は読むべきだと思う。ボクは知らなかったので、読み終えたあとしばらく呆然としていたほどの内容だった。

 

これは昭和43年に起きたある殺人事件がきっかけとなった。当時は殺人罪には別規定が設けらていた。それは尊属殺人というもの。

 

明治時代に定められた刑法がそのまま残ったもので、自分または配偶者の直系尊属を殺したものについては、通常の殺人罪とちがう尊属殺人罪が適用された。それが刑法200条で、この法律に基づいて有罪となった人は実刑しかない。それも死刑か無期懲役という厳しいもの。

 

ある女性が父親を絞め殺した。その弁護を受けたのが、このインタビューに答えている大貫さんのお父さん。事件が起きた経緯を知ったお父さんは、この女性に尊属殺人罪を適用するのはひどいと感じた。それゆえ刑法200条の違憲性について戦ったそう。

 

その結果が出るまでには時間がかかり、最高裁で違憲判決が出るときには、このインタビューに答えている息子さんが弁護人として法廷に立っていた。くわしい状況はリンク先の記事を読んでもらえばわかる。この弁護士親子が必死になって戦った理由がよくわかる。

 

被告の女性は、実の父親から近親相姦の暴力を受けていた。14歳のころから父親の暴力が始まり、父の子供を5人も身ごもってもいる。そんな彼女に好きな人ができた。それを知った父親は激怒した末、どこまでも追いかけてお前の人生をめちゃくちゃにしてやると娘を脅した。

 

その結果、娘による父親殺しに至った。もしこの事件に尊属殺人を適用するとしたら、あまりに非情すぎる。そう感じた大貫親子は、被告の執行猶予を勝ち取るために最高裁まで裁判を続けた。

 

結果として最高裁は被告の執行猶予を認めただけでなく、この判決以降は尊属殺人罪が適用されることはなくなったそう。さらに平成7年になって、この刑法200条は正式に削除されている。

 

法律は必要なものだけれど、それが適切に機能しているかどうかのチェックは必要だろう。時代に合わせて改正していくことは、法律が果たすべき自浄作用のような気がする。

 

そういう意味では、一度も憲法を改正していない日本の状況は世界的に見ても異常だということ。法律の大元である憲法が、国民にとって両刃の剣とならないことを祈るしかない。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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