気になる18歳のAV出演問題
今年の4月1日から、成人年齢が満18歳に引き下げられる。高校卒業というタイミングとも合うので、ボクはこの改正に賛成している。18歳ならまだまだ経験不足のことも多いだろう。けれども大人としての責任を自覚した行動を取れる年齢だと思う。
ただし、心配されていることもある。昨日ある記事を読んで、思わぬところに巣食っている深い問題を知った。成人年齢の引き下げはその問題を具現化しただけで、それ以前から存在している業界の闇なのかもしれない。
AV出演強要、10代新成人の性被害が増える恐れ。未成年取り消しの対象外で「救済が著しく後退」
成人年齢が引き下げられたから、18歳になるとAVに出演できるようになったわけではない。児童買春・ポルノ禁止法では18歳未満のAV出演を認めていない。つまり18歳以上なら出演することはこれまでも法律違反ではない。現役の女子高生であっても、18歳なら出演可能だということ。
ただし、現状では18歳、19歳については法律が守ってくれている。未成年ということで、親などの同意なく結んだ契約を解除できる、「未成年取り消し権」が民法によって認められている。本人がAVに出演したいと思って契約しても、親が反対すれば法律的に動画の販売等を差し止めることが可能だった。
ところが今年の4月からは、18歳になると成人として認定される。だから親が反対しても、本人の意思によってAV出演の契約を交わすことができる。ポルノ禁止法にも引っかからないので、基本的に何も問題はない。
だけど実態はそうでもないらしい。リンク先の記事によると、詐欺同然で若い女性を誘い、無理やり契約させている事例があるらしい。最初は芸能界デビューを匂わせておいて、AV出演のことを隠している。そして断れない状況に追い込むという事例があるそう。
ひどい場合は違約金をほのめかしたり、脅されるようなこともあったりする。モデルやタレントになれると信じさせることで、 AV出演へと誘いこむ手法が実際にあるとのこと。これが事実だとしたら、かなり深刻なことだと思う。
もちろん同意できない契約は無効。だから政府としては、この件に関しても対応できると答弁しているそう。でもマジで脅されていたり洗脳されていたら、その契約を無効だと主張できるわけがない。いまなら18歳や19歳なら親の不同意を持ち出して契約解除できる。だけど4月からはそれができない。
要するにいままでも、20歳以上の女性は同じような被害にあっていた可能性があるということ。その基準が引き下がっただけであって、問題はずっと以前から存在していたことになる。だから今回の法改正をきっかけにして、根本的な闇に対してメスを入れるしかないんだろう。
だけど難しいだろうなぁ。本気でAVに出演したいと思っている人もいるはず。職業としてのAV男優やAV女優を否定する気持はボクにないから、本気で望んでいる人に門戸を閉じる必要ないと思う。難しいのは、本人の意思を客観的、かつ公平に確認できないということ。
AV業界で利益を求める人たちは、今回の法改正を見逃さないだろう。需要はあるだろうしね。成人年齢の引き下げにこんな問題があると思わなかった。被害にあう人をなくすため、何らかの法改正が必要かもしれないなぁ。
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