アメリカ州警察の執念に拍手
ボクが好きだった海外ドラマに、アメリカの『コールドケース』という作品があった。迷宮入りしそうな未解決事件を扱ったドラマで、殺人に時効のないアメリカの捜査実態をリアルに感じられる作品だった。
最近ではデンマークの作品である『特捜部Q』という小説にハマり、完結していないけれど刊行されている作品はすべて読んだ。殺人事件というのは、時間が経てば経つほど、真相から遠ざかってしまう。それでも犯人逮捕をあきらめない捜査員たちの姿に感動を覚えた。
そんな未解決事件で、ドラマを凌駕する出来事が起きた。なんと46年前の殺人事件が解決したというもの。
46年前の殺人事件で容疑者逮捕、コーヒーカップのDNAが決め手に 米ペンシルベニア州
まるで映画のような出来事。アメリカのペンシルベニア州で46年前に起きた事件で、19歳の女性が自宅で19ヶ所も刺されて死亡しているのが見つかった。首には刃物が突き立てられていたそう。
凶器が残されていて、かつ女性の下着から男性のDNAが見つかっていた。ところが懸命の捜査にも関わらず、犯人の手がかりがつかめないまま46年という年月が流れた。それでもペンシルベニア州警察は諦めていなかった。そしてその想いは通じ、科学の進化が事件解決に寄与することとなった。
2019年に動いたのは、ペンシルベニア州のランカスター郡地区検察の未解決事件捜査班。採取した男性のDNAを最新の研究装置を有する研究所に解析依頼した。その研究所は『容疑者を絞り込むために「斬新かつ非従来的」なやり方を試した』とのこと.
なんと、『このDNAサンプルにつながる人物がイタリア南部カラブリア地方の町ガスペリーナと関係があることを突き止めた』らしい。出身地域を絞れたことによって、『犯行当時、ランカスター在住で、年齢や性別、家系がこうした系統と一致する人物はごく少数しかいなかった。これでガスペリーナ出身の家系の子孫のみに候補を絞り込むことができた』と研究員は述べている。
その結果、浮かび上がったのが68歳の男性。捜査班は監視を続け、この男性がフィラデルフィア国際空港でゴミ箱に捨てたコーヒーカップからDNAを採取した。それが一致したことで逮捕したそう。容疑者は犯行を認めている。
すごい執念だよね。DNA解析という科学の進化が助けてくれたけれど、46年前の捜査官たちが丁寧に証拠採取して保存した結果だと思う。日本でも殺人の時効はなくなったけれど、未解決事件に特化した捜査班が必要だと思う。
もしかしたら存在しているのかもしれないけれど、日本の警察にここまでの執念があるかどうか不安に思っている。殺人犯は絶対に逃さないという強烈な執念が、未来の日本警察官たちに引き継がれていくことを願っている。そうなれば科学の進化が真相を明らかにしてくれるかもしれないから。
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