今こそ『デジタル遷都』のチャンス
先日ある番組で、今年の5月に中国の武漢で撮影された映像を見た。都市封鎖が解除された街の様子を、武漢で生まれ育って日本でモデルををしている女性が撮影したもの。
おそらく中国政府の検閲を受けているだろうと思う。だから都合の悪い映像があればカットされている可能性がある。だとしても、明らかに日本よりIT化が進んでいた。日本はこうした政府主導のデジタル化に関して、後進国だと認識するべきかも。本気でそう感じた。
それは今回のマイナンバーカードの騒動が顕著な例。中途半端なシステムの欠陥が露呈されることになった。政府関係者でも、このことを憂いている人がいる。
日本のデジタル化は「10年遅れ」、コロナ契機に転換を-平副大臣
政府で新型コロナ対策でのIT活用を担う、「テックチーム」事務局長の平将明内閣府副大臣へのインタビューをまとめた記事。副大臣はいまの日本の現状を嘆いている。
「日本のデジタルガバメントは10年遅れている」
「本来テクノロジーの進歩と合わせて政府もデジタル化していかないといけなかったのに、それができていなかった」
というように反省の弁を語っている。マイナンバーカードの惨状を見たら、そう言わざる得ないだろう。平副大臣は昨年の消費税増勢のとき、マイナンバーカードに1万円のポイントをつけて1億枚を配布することを提案した。
結果的に却下されたけれど、もしそれが実現していたら10万円の給付が迅速に行われただろう、と悔やんでおられる。だけどこうした反省点が見えているいまだからこそ、政府機能のデジタル化を推進するべきだと述べておられる。そしてとてもユニークな言葉を提案をされた。
「日本は疫病がはやると、都を移す遷都をしてきた」
「リアルな社会からサイバー空間に都を移す『デジタル遷都』が求められる」
いやぁ、『デジタル遷都』ってナイスネーミングだよね。変化に対する前向きな強いメッセージが伝わってくる。首都を移転するくらいの気持ちでデジタル化に取り組むべきだということだろう。
副大臣の言うとおり、このチャンスを逃してはいけない。新型コロナウイルスによって、社会のあり方そのものが変化を余儀なくされている。その波に乗っていかないと、日本は世界から取り残されていくだけ。
ようやくマイナンバーカードと銀行口座のひも付けが検討され始めた。これはいい兆候だと思う。コロナ対策として、接触確認アプリの開発が国家や自治体で進んでいる。これを機会にガラケーなんて撲滅させたほうがいい。
ただ忘れてはいけないことがある。なぜ日本は政府によるデジタル化が進まなかったか?
それは国民が変化に抵抗してきたから。反対することしかできない野党やマスコミにあおられて、新しいことに関してネガティブな反応を政府に投げかけた。その結果が、いまのお粗末な現状を招いたんだからね。
もちろん反対すべきことは意思表明するべき。でも大切なのは是々非々という姿勢。なんでもかんでも反対することが、良識のある人間だと思っている人が多すぎる。事実をできる限り正確に認識して、それについて自分の頭で判断することが真の良識だと思う。ボクも自分にそのことを言い聞かせているし、そうありたいと思っている。
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