今日の言葉 6月2日
『二元性が葛藤を生み出す』
肉低的、心理的、知的など、いかなる類のものであれ、葛藤はエネルギーを浪費します。よろしいですか。これを理解し、ここから自由になることは恐ろしく難しいことなのです。なぜなら私たちの大半は苦労しながら進み、努力するよう育てられているからです。学校に通うようになって、最初に教わるのがこのこと、つまり努力するということです。そしてその苦労と努力は死ぬまで続きます。つまり善良であるためには、苦労して進み、悪と闘い、抵抗し、コントロールしなければならない、ということなのです。
そういう訳で、私たちはあらゆる点において、エネルギーを浪費しています。そしてそのエネルギーの浪費とは、つまるところ葛藤です。すなわち、「するべき」と「せざるべき」との間の葛藤、「しなくてはいけない」と「してはいけない」との間の葛藤です。一度二元性が作り出されてしまうと、葛藤が生じざるをえなくなるのです。
ですから、私たちはこの二元性の全プロセスを理解しなくてはなりません。が、男と女、緑と赤、光と闇、高いと低い、そういったものが存在しない、と言っているのではありません。こういった諸々は全て事実です。しかし事実と観念の間にある分離に努力を注ぐと、エネルギーが浪費されてしまうのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜