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高羽そらさんインタビュー

ガストンとの対話2 Vol.22

ガストンさん、東芝の不適切会計問題は、大詰めを迎えました。歴代3人の社長が辞任。16人の取締役中半分の8人が辞任する、という前代未聞の事件になりましたね。検察の捜査が入っていないので不適切会計と表現されていますが、これは明らかな粉飾です。社長の堀江さんが逮捕されたライブドアと比べると、組織的に計画された悪質な粉飾ですし、さらに金額も大きい。本来なら検察のメスがすぐに入るべきですが、やはり大手は保護されていますね。

 

「今までの既成概念を打ち破るような新しい企業は潰されるが、既得権益を持つものは互いにどこかで結びついておるから守られる。まぁ、現代社会の矛盾を象徴しておるな」

 

やはりバレなけりゃかまわない、という考えが人間にはあるのでしょうね。法律の穴を狙ったものではなく、これは意図的な犯罪ですから。それも年功序列という日本の悪しき慣習の力を借りて上司が部下に圧力をかける。古くから存在する日本企業の悪弊がモロに出ているように思います。

 

「どんな人間でも心のどこかに持っている心理だ。ルールが決まっていても、バレなけりゃかまわない、と思っている。車を運転していてスピード違反の取り締まりで摘発されたり、駐車違反でキップを切られた時、多くの人間が言う言葉がある。「あぁ、ひっかかってしまった。やられた」とな。自分がルール違反をしたことを忘れ、警察の卑劣な行為だと言わんばかりだ。そうした人間の自分勝手な発想が、今回の事件の大元にあるんだよ」

 

確かにそうですね。実は粉飾決算に関しては、私も経験があります。

 

「ほう、カミングアウトか。自首するか?」

 

そんな大げさなものじゃないですけれどね。会計事務所で働いていると、中小企業ではよくあることなのです。経営が苦しい会社は、赤字決算を出してしまうと銀行が融資してくれません。そうすると資金繰りが行き詰まってしまう。でも黒字であればお金を貸してくれます。だからよくやったのは、経営者と相談して期末の在庫を水増しすることです。本来は赤字なのに無理やり黒字にして法人税を払う、という無茶を何度も経験しました。

 

「在庫を水増ししたところで、翌期には経費としてその水増し分が算入されるのではないか?」

 

もちろんそうです。だから次の決算でさらに在庫を水増ししなくてはいけない。もう典型的な悪循環です。ところが税務署も銀行も、それをわかっています。過去の比率と比較すれば異常なことが明確ですから。でも黙っている。税務署は脱税を許しませんが、嘘でも税金を払ってくれるなら文句は言いません。銀行もとりあえず黒字の決算書があれば融資の稟議が本部で通過します。そうすればその支店と担当の行員の成績になりますからね。そろいもそろっていい加減なものです。

 

「嘘に嘘を重ねる最悪のパターンだな。それもその輪が広がっておる。聞くに耐えん話しだな」

 

そうですよね。私がその業界を去ったのも、そうしたことが嫌だったからです。社長の気持ちはよくわかりますよ。だって大勢の従業員の生活がかかっているから、会社を潰すわけにはいかない。でも、それって何か違うと思うのですよね。ただ現状維持するためだけに、自分にも他人にも違反を強要する。今回の東芝でも同じことだと思います。赤字を出して投資家が去るのが怖いのでしょう。

 

「今回の事件は、この先の企業の在り方を象徴する事件になるかもしれないな。自分のことしか考えない企業は消えていくだろう。逆にどうすれば人々の生活が便利になり、笑顔が増えていくかを考える企業が伸びてくる。顧客の幸せを心の底から願うことによって、同じものがその会社に返ってくる。問題はそこからだよ」

 

よくわかります。どんな会社でもスタートはそういう気持ちですものね。儲かると、途端に守りに入ってしまう。

 

「そうじゃ。そこで他人を幸せにしたい、という気持ちを忘れてしまう。だがこれから伸びる企業は、儲けたお金をさらなる他者への幸せに向けて投資するだろう。手元に溜め込むことなどしない。誰もが喜ぶ、Win-Winの発想を維持していくだろう」

 

それは個人の人間関係でも同じような気がしますね。

 

「いい気づきだな。その通りだ。他人の幸せが自分の幸せだ、という人間が増えてくるであろう。そしてそうした人間に、多くの資本や人々の期待が集まるようになる。大金持ちになって豪邸に住みたい、なんて陳腐な発想をしている人間は消えていくだろう。「自我」という制限された枠をどれだけ広げていけるかが、これからの時代の課題だな」

 

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コメント (3件)

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  1. そらさん、ご返答ありがとうございます。

    本当そうですよ。
    人間はルールをどんどん作っては、不自由過ぎて勝手に壊したりするんですから。
    時と場合によっては危険になったりならなかったり。
    堂々と人を裁く権利ないです。

  2. ひのっちさん、コメントありがとうございます♩

    アハハ、私も今日の買い物の途中、信号無視して道路を横断してしまいました〜(汗)
    もちろん違反だとわかっていますから、確信犯ですよね。
    歩行者といえども、道路交通法違反ですね。

    先日、マンションのロビーで禁止された遊びをしている子供を注意しました。まだ小学校1年生くらいの女の子たちです。
    大人が怒るとすぐに止めます。つまり悪いこどだとわかってやっているわけですね。自分が正しいとは主張しません。
    バレなきゃいいや、怒られなきゃいいや、という発想は子供にもあるのですね(笑)

    ひのっちさんが書かれているように、世界中のテロや犯罪、そして戦争は、私たち一人一人の意識が創り出しているのでしょう。
    そのことを認めることで、全てがひとつだ、ということを思い出すのかもしれませんね。

  3. そらさん、対話記事ありがとうございます。

    「どんな人間でも心のどこかに持っている心理だ。ルールが決まっていても、バレなけりゃかまわない、と思っている」

    あははwこれビックリするぐらい、その通りなんですけど。
    僕も大小なんであれ、少なくともルール違反犯してますよ。
    誰も面と向かって、言っていないだけで・・

    判断するとなれば、
    生きていたら誰もが罪犯しているんですね。
    ということは気づいてないだけで、
    やっぱり社会に繁栄される見える事件などは、廻り回って
    全て自分で犯している事になるんです。
    さてここで、本当の責任は一体誰??に
    あるのでしょう、という(疑問)問題が浮上してきます。

    そして・・・他人の不幸が自分の不幸だ。=他人の幸せが自分の幸せだ。
    という発想がわき出て来ます。


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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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