今日の言葉 8月14日
『どのようにして恐怖を終わらせるか?』
私たちが話しているのは、このこと、すなわち「どうやって恐怖を終わらせるか?」ということに尽きます。これは私たちの抱えている大きな問題のうちの一つです。なぜなら、それを終わらせられなければ、人間は永遠に暗闇の中で生きることになるからです。
何らかの解決方法が、一人間としての私のためにあるはずです。未来への希望を作り出すのではない、解決方法が。一人間である私が恐怖を完全に終わらせることは可能でしょうか? 恐怖のちっぽけな片鱗を終わらせることではありません。おそらくあなたは、ご自分にこの問いを投げかけたことがないでしょう。そしてこの問いを問うたことがないのは、おそらく、そこから抜け出す方法をご存じないからでしょう。
しかし恐怖を終わらせる方法ではなく、恐怖の本質並びに構造を見出そうと意図しながら、極めて真剣にこの問いを投げかけるならば、それらを見出した瞬間、恐怖は自ずと終結します。それに対してなすべきことなど、何もないのです。
恐怖を意識し、それと直接触れ合うようになると、観察者は観察されるものとなります。観察者と観察されるものの間に何ら違いがなくなるのです。観察者をはさまずに恐怖が観察されると、そこに行動が起こります。しかしながらそれは、観察者が恐怖に働きかけるという形での行動ではありません。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜