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高羽そらさんインタビュー

今日のウィルバーくん 6.16

前回に引き続き、ウィルバーの哲学者としての顔を見ていきましょう。彼の哲学の基本理念は、宇宙を知ること。それは言い換えれば、本当の自分自身を知ることでもあります。

 

ところが既存の哲学はそのことに失敗している、と言い切っています。なぜなら避けがたい矛盾に直面しているから、とのこと。ウィルバーの言葉を見てみましょう。

 

〜以下抜粋。

 

ナイフがそれ自体を切ることができないように、宇宙もまた自分を何らかの仕方で変形させることなしには、自分自身を対象として見ることはできない。宇宙を知の対象として知ろうとすることは、非常に深いところで避けがたい矛盾をきたしているのである。成功すればするほど、それは失敗に近づく。より「それ自体に対して偽り」となっていくのである。

 

しかし奇妙なことに、このタイプの二元論的な知、すなわち宇宙を主観と客観(あるいは、また真と偽、善と悪)に切り離す二元論こそが、西欧哲学、神学、科学の基礎となってきたのである。西欧哲学は多かれ少なかれギリシャ哲学であり、ギリシャ哲学というのは二元論の哲学である。現在、哲学の論点となっている問題というのは、古代ギリシャの哲学者たちが、問題自体を作ったり、あるいは問題の枠組みを作り出したりしたものである。

 

(中略)

 

これは確かに、おかしなことである。なぜなら二元論的な知は、その根に、自分の指でその指先に触ろうとしたり、自分の足でその足を踏もうとしたりするような矛盾があるからである。なぜ、この二元論がずっと以前に放棄されなかったのか? なぜ西欧の歴史全体を通じて、これほど広範囲にわたる影響を与え続けてきたのか? またなぜ、それが今も西欧の知の主要な流れに、微妙な形であれ支配的であるのか? まったく奇妙なことであった。残念なことに、メインストリームとなっている西欧的思考の歴史のなかに、二元論の問題に対する実質的な答えを見つけようとするのは、退屈で死にそうになるようなことなのである。

 

〜以上抜粋。ケン・ウィルバー著『意識のスペクトル』より。

 

とても興味深い文章です。私たちが何かを知ろうとする場合、その対象が必要となります。ですから必然的に、自分と他者という分離が発生します。

 

ところが宇宙を含めたすべてが、たったひとつのものであったとしたら、対象を作り出すことは不可能です。すべてが自分なのですから。そうすると、分離という錯覚を作り出すことなしに、宇宙は自らを対象として見ることができません。そこにこそ、この物質宇宙が生まれた秘密があるように感じています。

 

私たちが対象を自分から分離した対象として観察している限り、永遠にその本質に気づくことができないのかもしれません。それこそ自分の指でその指先に触れようとしたり、自分の足でその足を踏もうとしている行為なのでしょう。

 

主体と客体の壁を吹き飛ばすためには、強烈なパラダイムシフトが求められます。ウィルバーは既存の哲学にそのことを求めましたが、退屈で死にそうになったようです(笑)彼がトランスパーソナルに情熱を注いだ理由は、その退屈さえゆえかもしれませんね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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