SOLA TODAY Vol.8
出張や旅行でホテルを予約した時、予定が変わって取り消すとキャンセル料を請求されます。実際にそういう経験をされた方はいるでしょうし、そうでなくてもキャンセル料が気になったり、支払いを避けるために最初の旅程を断行した経験は誰にもあると思います。そんな不安を解消するサービスが９月からスタートするようです。
やむを得ないキャンセル時に宿泊予約の権利を売買、「Cansell」がプレビュー版をリリース
Cancelという会社でして、宿泊予約の権利を売買するサービスです。仕組みは簡単です。ホテルを予約した人にキャンセル事情が発生した時、このホテルを利用したい人をこのサービスで見つけます。そして権利を売ります。
最初に予約した人はホテルに通常の料金を支払い、権利を買った人から料金を受け取ります。オークションと似たシステムですが、間にCancelが入っていますのでトラブルは発生しません。ホテルは予約名義の変更で対処できますので、問題なく利用できます。
条件は予約金額を上回る料金で取引しないということです。だから最初に予約した人は、自分がホテルに支払うことになるキャンセル料と、販売した価格の差額プラスCancelに対する手数料を比較して、どちらか得なのか検討できます。
うまくいけば、キャンセル料より安い支払いで権利を手放し、買った人は通常価格より安く宿泊でき、ホテルは当初の金額を回収できます。まさに誰もが笑顔になる方法ですね。これはとても便利なシステムだと思います。出張が多い人は、登録しておくと利用価値が高いでしょう。旅行に行きたい時も、手頃なキャンセルをここで探すことができます。
インバウンドの方が海外から押し寄せているので、近年はホテルが取りづらくなっています。だからこういう二次流通を促進するサービスはこれから伸びていくと思われます。海外では二次流通が充実していますが、日本はかなり後進国です。
その元凶となっているのはライブチケットです。いわゆるダフ屋が悪印象を与えています。確実に人気が出るチケットを買い占めておいて、ソールドアウトになれば言い値で売ることができます。ライブの主催者側もチケッとの二次流通を公に認めませんから、ますますダフ屋が闇で活躍するわけです。
このシステムのポイントは、購入価格より高い値段の売買を禁じていることです。これによって転売目的で参加する人を防ぐことができます。せっかく手に入れた権利を、有効に利用してほしいという気持ちを生かすことができます。
もう15年ほど前のことになりますが、エアロスミスの大阪公演のチケットを購入しました。ところが仕事の都合でどうしても行けません。それでオークションに出して通常の価格が売ることができました。買ってくれた人は喜んでくれましたし、わたしもチケットが無駄にならなかったの嬉しかったです。みんなが笑顔になれるのはいいことです。
日本中のほとんどのホテルが対応しているそうです。ディズニーのミラコスタ等、一部のホテルが名義変更に対応していないそうで、それらは個別に契約を結ぶ方向で進んでいるとのこと。
こうしたマーケットは他にも考えられます。レストランの予約なんかもいいですね。簡単に予約が取れないお店だったら、その権利を譲ってもらえたらラッキーです。しかもプレミアつきの値段を支払う必要はありません。
これからの社会はシェアの時代になると思っていますが、こうしたサービスも同じ意味合いを持っています。スマホという情報網の発達で、需要と供給が近接しています。利ざやで儲けるなんてつまらないことを考えないで、誰もが笑顔になれるこうしたサービスが広がることを願っています。
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