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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.315

我が家のマンションは小学生の通学路になっていて、朝はかなり騒々しい。今の季節のように窓を開けるようになると、10階なのに甲高い声がすぐ近くで発せられたように部屋へ飛び込んでくる。

 

午後3時ころは帰宅のピークで、イヤホンで音楽を聴きながら仕事をしていても、子供たちの声で集中が途切れることがある。子供が元気なのは普通だし、たかだか小一時間のことだからあまり気にしていない。だけど自宅前の道路が子供の遊び場になっていたら、そのストレスは相当なものだろう。

 

「道路族」トラブル深刻=住宅街路上で遊ぶ子と親―地域モラル希薄化・専門家

 

新興住宅地の袋小路となった道路で子供たちを遊ばせることで、近隣住民とトラブルになっているケースが増えているとのこと。親も一緒になって遊んでいることで、この親子を一部では「道路族」と呼ぶらしい。

 

住民同士の裁判や刑事事件になっているケースもあるそうで、かなり深刻な問題になっている。長男が中学受験を控えていて、あまりにうるさいので道路で遊ぶ子供に注意した親がいる。すると脅迫めいた手紙がその自宅に届いたり、暴言を浴びせかけられたりするようになった。日本のあちこちで、こうしたトラブルが増えている。

 

ボクが京都で住んでいたマンションは、バルコニーが公園に面していた。これならいいわと思って購入したが、実態を知らない甘い発想だった。とにかくうるさい。放課後の時間帯になると、子供たちの叫び声でイライラすることがあった。赤ちゃんがいる家なんかは、きっと大変だったと思う。

 

3階だったのでボールが飛び込んでくることはあるし、舞い上がった砂ぼこりでバルコニーのサッシはジャリジャリ。大掃除のたびにため息をついていた。公園なので怒るわけにもいかず、バルコニー側に公園がある部屋には二度と住まないと決意するしかできなかった。

 

でもある意味仕方ないことでもあるんだよね。子供たちの遊び場所がなくなってきたということ。子供というのは小さい身体で、大人並みの精神エネルギーを持っている。だからそれを発散するために、大声で走り回って遊ぶのは普通のこと。ボクだってそんな時代を過ごしてきた。

 

だけどボクが子供のころは遊ぶ場所に不自由しなかった。京都の山科で少年時代を過ごしたけれど、今とちがって畑や田んぼが広がる地域だった。春から夏にかけては川や山で遊び、秋から冬にかけては刈り取りの終わった田んぼがグランドになる。毎日暗くなるまで、思い切り遊んでいた。

 

神戸市に引っ越してもっとも違和感を覚えたのが、田んぼと畑がないこと。引っ越し前に暮らしていた京都の向日市は、まだ近くに田んぼがあった。だけど神戸市内はまったくない。ボクが住んでいる灘区だけでなく、おとなりの中央区や東灘区でも田んぼなんて見たことがない。

 

だから子供は公園で遊ぶしかない。だけど公園は規制があったりする。そうなると自宅近くの袋小路が必然的に遊び場所になるのだろう。それと社会的な背景も、昔と今ではちがうように感じる。

 

ボクが小学生のころは集団登校が普通だった。だから小学校1年生から6年生までの同じ地域の子供が、一列に並んで登校する。そうなると同級生だけの関係ではなく、年齢を超えたつながりができる。

 

近所で2〜3人の子供が遊び始めるだけで、あっという間に下級生から上級生までが集まる。そしてその様子をどこかで見ている大人がいて、危ないことをしたらしっかりと叱ってくれた。地域全体がひとつにまとまっている「空気」が存在していたのを実感している。

 

だから少々のトラブルがあっても、それなりに話し合って解決できた。裁判なんて起きるわけがない。今の時代はそうした地域間のつながりが希薄なので、自分は自分、他人は他人という境界線が明確に区分されているのだろう。

 

現代社会においては、単純なようで難しい問題だと思う。それぞれの地域で考えるしかなく、決まった答えを導き出すのは困難だろうね。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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