SOLA TODAY Vol.542
「あの人は頭がいい」、「彼女は頭の回転が早い」等のほめ言葉がある。
だけど「頭がいい」とはどういった状態を指すのか? 一流大学を卒業したから、頭がいいというものでもないだろう。
たしかに頭がいい人と出身大学の相関関係は、無視できない有意性を持っていると思う。でも学歴が、その人の頭の良さを証明することにはならない。
そんな頭の良さに関して、興味深い記事を読んだ。
「地頭の良い人」と、そうでない人の本質的な違いはどこにあるか。
この記事を書いたのは、コンサルタント会社を経営していた人物。中途採用の社員を面接するとき、重視したのは学歴ではない。会話を通じて、その人の地頭がいいかどうかを判断基準にしていた。
何を持って地頭がいいかどうかを判断する基準は難しいだろうね。どうしても主観が入るだろう。それでも会話をするなかで、この人は地頭がいいと感じて採用した人がいる。
高卒で自動車整備工になり、その後は先物取引の会社に勤めていた人。その会社も辞めて漁師をしていた人物を採用したことがあるらしい。地頭の良さを直感したから。
この人物はメキメキとその頭の良さを発揮することになり、その後は支社長を務めるまで出世することになった。高卒の人が、大卒の人が経営する会社のコンサルタントをするのだから、なかなか興味深いよね。
この記事の著者は、「地頭の良い人」について考察している。その例がいくつか紹介されている。ソ連時代の共産党が発行する機関紙を毎日ひたすら読み、その行間から政治的な動きを読み取った人。
あるいは食べログの高評価ではなく、低評価から店の特徴を見付け出すことで、本当に美味しい料理を出す店を探す達人もいる。それらの人に共通していることがある、と著者は述べている。
『つまり「地頭の良い人」というのは、同じ情報に接していても、そうでない人に比べて、そこから読み取ることができる情報が桁違いに多いのだ』
『この細部に気づく、意図を読み取る、内部の法則性を読み取る、などの意識の働きが強い人を、おそらくは「地頭の良い人」と呼ぶのだろう』
なるほど、なるほど!
頭の回転が早いと言われる人の秘密は、ここにあるんだろうね。普通の人が見逃してしまようなものを、少ない情報から導き出す。それが頭の良い人がやっていることなのだろう。
もっと突き詰めて考えると、そうした人は『常に』、そして『自分の頭」で考え続けているんだと思う。
何かを問われてすぐに答えが出るのは、日ごろから考え続けていることによって、『引き出し』を増やしているからだろう。そしてそれは他人の受け売りではなく、自分の頭を使って考えているから「引き出し」を増やせるんだと思う。
このような能力は天性のものなのだろうか?
持って生まれたものはあるだろうね。だけどその多くは、普段の習慣や意識的努力によってなされたものだと思う。つまり『地頭の良さ』は、後天的に身に付けることができるものだということ。
『常に』、そして『自分の頭」で考える習慣を身につければ、50代のボクでも地頭が良くなるだろうか? いや、きっとなるはず。そう信じて、意識してみようっと!
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