SOLA TODAY Vol.856
敵というものは、思わぬところから顔を見せることがある。ビジネスに関していえば、敵が同業者だとは限らない。
想定外の敵によって苦戦している企業がある。それはミスタードーナツ。
ミスタードーナツの競合が、実は「ニトリと百均とスマホ」であるワケ
ミスドの経営危機が言われて久しいけれど、同業者にはなんとか勝利している。クリスピードーナツも、セブンドーナツも追いやることに成功した。どうにかドーナツ業界の地位を守っている。
10日ほど前、何年かぶりでミスドのドーナツを食べた。たまたま出かけたところに、大型の店舗があったから。普段ならもっと安くて美味しいドーナツの店を知っているので、あえてミスドを選ぶことはない。
それでもドーナツ業界としてトップを維持しているのはすごいよね。ところがその経営を脅かしているのがニトリと百均、そしてスマホとのこと。最初は???となったけれど、記事を読んで納得した。
ミスドはやはりドーナツの味だけで今の地位を築いたのではない。最盛期は1980年代なんだけれど、ピークを迎える大きな理由があった。それはミスドのグッズが大きく貢献している。
ドーナーツを購入すると、点数が書かれたカードをもらえる。それがある点数まで貯まると、マグカップやお皿と交換してもらえた。抽選じゃないから絶対に手にすることができる。デザインも人気があって、ミスドグッズは大盛況だった。
そういえばボクもその流れに乗っていた。京都に住んでいるころ、ミスドでドーナツを食べる目的のひとつに、そのグッズをもらうことがあったように思う。もう少しで点数が足りなくて、知らない人がカードをくれたこともある。
ところが時代が変わり、ニトリや百均という業界が登場してきた。おしゃれで使い勝手いのいいグッズが安く手に入る。だからそれまでグッズによってドーナツの売上を伸ばしていたミスドに大きな影響をもたらしたとのこと。
なるほどねぇ。たしかにそうかもしれない。つまりそれほどドーナツそのものに大きな魅力がなかったということだよね。
ところがもう一つの敵であるスマホはなぜだろう? これはアメリカの影響が大きいらしい。
ニューヨーク等のビジネス街では、朝はコーヒーとドーナツという人が多かったらしい。自宅を出てテイクアウトのコーヒーとドーナツを食べながら出勤する。朝の会議等でも、社員にドーナツがふるまわれる会社があったそう。
ところがスマホの登場で、片手がふさがれることが増えた。コーヒーとドーナツを片手に持つのは難しい。そのうえドーナツは油まみれなので手が汚れる。となると必然的にスマホの画面も汚れる。それゆえドーナツを敬遠する人が増えたとのこと。
敵というのは思わぬところにいるもんだよね。ミスドの未来は、かなり茨の道になりそう。クリスピードーナツのように、店舗数の縮小ということになるかもね。
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