魂を震わすメロディの重唱
ボクはいま、1日に4冊の本を並行して読んでいる。そのうちの1冊は図書館で借りた紙の本で、残りの3冊は電子書籍。
その電子書籍のほとんどが長編で、2冊は読み始めてすでに半年以上も経っている。
1日に一節という短いスパンで読み進めているので、普通でも読むのに時間がかかるほどの長編だと、まるで牛歩戦術のように少しずつしか読めない。
もっとも以前から読んでいるのは、ヴィクトル・ユーゴー原作の『レ・ミゼラブル』という物語。
きっかけは2012年に公開されたミュージカル映画を観たから。映画館でこの作品を観て、感動のあまりどうしても原作を読みたくなった。
そして先日、NHKのBSでこの映画を放送していた。久しぶりにあの感動を追体験したくなったので、録画した作品を観た。
2021年 映画#8
『レ・ミゼラブル』という2012年のイギリス映画。原作の映画化というより、ミュージカルとして上演されていたものを映画化したもの。それゆえ、原作とは少し内容がちがう。
いまボクが読んでいる原作は、ようやく6割を過ぎたところ。コゼットとマリウスは互いを一目惚れしたけれど、まだ気持ちを語り合っていない。
ただ原作を知らなかったころに比べて、このミュージカルが原作にかなり忠実に作られていることを知った。主要なエピソードが盛り込まれていて、ほとんど違和感を覚えることがなかった。
そして感じたのは、この物語を映像化するにあたって、ミュージカルが最適じゃないかということ。原作は登場人物が多く、とても複雑で長い物語。
だからこそ音楽によって人物の人生を象徴化することで、短い時間でストレートに彼らの人生が伝わってくる。原作を知っているからこそ、そのことを強く感じられた。
主要人物であるジャン・バルジャン、ジャベール、ファンティーヌ、コゼット、そしてマリウスの人生は山あり谷ありで、映画ですべて語ることは不可能。だからこそミュージカルが適しているんだと思う。
このミュージカルが素晴らしいのは、いくつかの主旋律をセリフに合わせて多用していること。だからちがう人物が、同じメロディで心情を語ることで、その対比が浮き彫りになってくる。
そして複数の人物の歌が重唱されることで、それらの人物の心を同時に感受することができる。素晴らしい演出だと思う。
エンディング近くはオヤツを食べながら観ていた。菓子パンをかじりながら涙をポロポロ流しているボクを見て、妻は不思議そうな顔をしていたwww
2時間半のあいだにどれだか泣いたことか。これで原作を最後まで読むのがさらに楽しみになった。原作との結末の比較をするのが楽しみだなぁ。
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