体験してみたい麻酔薬
一般的に健康だといわれている人でも薬は欠かせない。どんな家でも痛み止め程度の薬は常備してあるはず。ボクのように頭痛持ちでかつ鼻炎体質だと、常に薬の在庫をチェックする必要がある。
ただし、薬=毒というのは基本的概念。どんな薬にも副反応があるし、できることなら服用せずに過ごせるほうがいい。そのことを忘れなければ、こんな薬も利用価値があるのかもしれない。
死んでしまったような感覚を与える麻酔薬「ケタミン」に自殺願望を抑える効果を確認
新型コロナによる影響で、世界的に自殺者が増えている。日本でも昨年の後半になって自殺者の増加が顕著になってきた。その理由はいくつも考えられるけれど、コロナ禍によるものであることは確実だろう。
そんな自殺願望を抑制できる薬が確認されたそう。オーストラリアの研究グループが発表している。その薬とは麻酔薬のケタミン。名前だけは聞いたことがあるけれど、幻覚と伴うということで積極的には使われていなかったらしい。
ケタミンは1956年に発見され、当初の実験によると死んでしまったような感覚や、手足がなくなってしまったような感覚を引き起こした。それゆえ解離性麻酔薬と呼ばれている。ジャンキーたちに乱用されたことで、あまり評判はよくない薬とのこと。
ところがこのケタミンが再評価されている。抗うつ剤を凌駕するような効果があるらしい。特に自殺願望がある人に投与すると、死にたいという気持ちが消えてしまうことが知られていた。ただし静脈注射での例なので、あまり実用的ではなかった。
そこでオーストラリアの研究チームが、経口によるケタミンの効果を検証した。オレンジジュースに混ぜた微量のケタミンを患者に飲ませ、6週間にわたってケタミンの量を増やしながら経過を見た。
すると3分の2の人から自殺願望が消えた。それだけでなく、気分障害、不安神経症、人格障害という症状まで緩和された。経口薬なら処方しやすいので、さらに研究が進めば大勢の人に喜ばれることになるかもしれない。
だけど所詮、薬は薬でしかない。投与をやめると、また同じ症状が出た。さらに副反応によって倦怠感やイライラ、不安、めまいという症状が出た人もいるらしい。要するに他の薬と同じで、その効果には個人差があるということ。
早急に自殺を止めるためには、薬としての効果が期待できるかもしれない。だけど根本的な問題解決にはならないので、薬に頼ってしまうのは危険だと感じる。あくまでも一時的な措置だと自覚するほうがいいんだろう。
ボク個人的には、この記事の主旨とはちがう部分に反応してしまった。「死んでしまった」という感覚になるケタミンに好奇心がある。それがどんな雰囲気なのか、ちょっと体験してみたいと感じてしまった。だけど本当にやってしまうと、かなりヤバいんだろうなぁ。
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