今日の言葉 7月5日
『幸せは何かによって得られるものか?』
私たちは物や関係、思考、観念を通して幸せを得ようとしています。そこで幸せではなく、物や関係、観念が極めて重要となるのです。何かによって幸せを得ようとすると、その時、幸せそのものよりも、その物の方が大きな価値を持ってきます。
物や関係、観念がはかないものであることは明らかであり、私たちは常にそれらのおかげで悲しい思いをさせられています。物事は移り変わります。使い古され、失われます。関係は衝突の連続で、先に行けば終わりが待ち構えています。観念や信条には安定性がなく、永続性もありません。私たちはこのようなものの中に幸せを得ようとしており、それでいながら、その無常性に気がつかないでいるのです。
幸せの真の意味を見出すためには、私たちは自己知という流れを切り開いていかなくてはなりません。自己知とはそれ自体が目的であるものではありません。小川の流れに源はあるでしょうか? 最初の一滴から最後の一滴までの、一滴一滴全てが川の流れを作っています。源で幸せを見つけられるだろう、と思ったら間違いです。幸せは自己知という流れの中の、あなたがいる場所に見出されるのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜