今日の言葉 7月13日
『苦しみは欠かせないものか?』
苦しみには実に多くの種類、絡みあった状態、度合いがあります。そんなことは皆、承知しています。あなたもよくご存じですね。そして私たちは文字通り、生まれ落ちたその瞬間から墓場に身をうずめる瞬間まで、生涯、この重荷を背負い続けるのです。
それは避けられないことだ、と言うのであれば、答えは何もありません。それを受け入れてしまえば、それに対する追求は終わってしまいます。あなたは更なる探求へと通じる道を閉ざしてしまうのです。またそこから逃げても、扉を閉ざしてしまいます。
私たちはあるゆる類の逃避を止めて、苦しみに舞い戻ることができるでしょうか? 苦しみの解決策を探し求めることを言っているのではありません。肉体的な苦しみは存在します。歯痛、胃痛、手術、事故など、様々な類の肉体的苦痛があり、それ相応の解決策があります。また苦しみをもたらすかもしれない将来の苦痛に対する恐怖もあります。
苦しみは恐怖と密接につながっています。そして人生におけるこの二つの主要因子を把握しなければ、思いやりを持つということがどういうことなのか、愛するということがどういうことなのか、私たちが理解することは決してありません。ですから思いやりとは何か、愛とは何かを理解することに関心がある精神は、恐怖とは何か、苦しみとは何か、ということをぜひとも理解しなければならないのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜