今日の言葉 7月17日
『歪んだ快楽』
サディズムなどというものがあります。その言葉が何を意味しているか、ご存じですか? 昔、人々を傷つけ、その人たちが苦しむのを見て楽しむ男についての書物をサド伯爵と呼ばれる著述家が著しました。サディズムという言葉はそこから来ており、その意味することは、他人の苦しみに快楽を感じることです。他人が苦しんでいる姿を見て、特異な充足感を感じる人々がいるのです。
自分自身を見つめて、自分にもこのような感情があるかどうか確かめてください。それは見てすぐにそうと分かるものではないかもしれません。しかしもしあなたにそのような感情があるならば、他人の失敗を笑いたいという衝動に、その感情が表れているのが分かるでしょう。あなたは地位の高い人々が引き摺り下ろされればいい、と思っています。あなたはよく考えもせずに他人をこき下ろし、他人の陰口をたたきます。こういったことは全て、無神経さの表れであり、他人を傷つけたいという願望の表れなのです。
人は他人を故意に、ひどく傷つけることがあります。あるいは何気ない一言、身振り、眼差しで、無意識に他人を傷つけていることもあります。しかしいずれの場合にせよ、その衝動とは誰かを傷つけることなのです。しかしこの歪んだ形の快楽を徹底的に打ち捨てる人は、ほとんどいません。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜